2008年7月11日
注目の新人
~中日・赤坂和幸投手~
高校出身のルーキーで、早くも1軍のマウンドを経験した。結果は、1試合に登板しただけで再びファームへ。これも試練のひとつか。悔しい思いをしただろうが、この年齢で、この時期だ。首脳陣に何かアピールするものがなかったら、声がかかるはずがない。魅力はどこに。早いうちに一度拝見してみたい投手の一人。5日、甲子園球場で行われた、ウエスタン・リーグの阪神戦。注目の人、浦和学院から高校生ドラフト1巡目で、中日に入団した赤坂和幸投手(18)。184センチ、83キロ。右投げ、右打ちが先発してくれた。
昨年は楽天・田中。今季のロッテ・唐川。高校生ルーキーの活躍が話題になっているが、こんなのはまれ。めったにあることではない。赤坂のピッチングに注目。どう見ても調子は良くない。ボールが先行してカウント不利の投球内容。初回と6回、四球がらみから得点を許した。投手としては最悪のピッチング。この日の自分を振り返ってもらうと「百点満点で10点です。変化球でストライクがとれないし、クイックもダメ。全然いいところがなかったですね」。本人の話だが、6イニングを投げて2点しか与えていない。チームから見ればきちっとゲームは作っている。試合には負けたが、赤坂に責任はない。
調子が悪いなりのピッチングができた。ある意味喜ばしいことかもしれないが、これは実績のある投手にいえること。発展途上の若い選手は“結果オーライ”は評価されない。いかにいい球を投げて抑えるかが、将来を見極めるバロメーター。小林ピッチングコーチの目にはどう映ったか。「確かに今日の調子は良くなかったが、いまの赤坂は何事も経験ですから。これから、いろいろな経験を積んで成長していくわけで、今日、目を引いたのは、球速のマックスが145キロ出たことです。いままでは142、3キロまでしか出ていませんでした」。140キロ後半のストレートは大きな武器になる。その日その日のわずかな成長も見落とすことなくチェックしている。
1軍では打者4人に対して、四球をひとつ与えただけ。ファームでは13試合に登板、2勝3敗1セーブ。防御率は3・48(7月7日現在)の成績。注目のマウンド。この日の内容では見るべきものはなかった。やや期待はずれの感はしたが、インタビューに応える表情の端々に強気の赤坂がいた。向こう意気は強い。打者にどんどん向かっていけるタイプ。次回にはピッチングでも頼もしいところを見せてくれるだろう。
「テーマと言いますか、課題はコントロールとスピードです。今日みたいな内容では1軍昇格は無理です。全体的なレベルアップは当然ですし、下半身をもっともっと鍛えるため、今はよく走っています。ウエート・トレーニングも、バランスのいい体作りを心掛けてやっています」。
赤坂はバッティングでも非凡なセンスの持ち主。この試合では左前打と浜風に逆らって右中間を破る二塁打を放った。バットの振りは鋭い。思い切りがいい。高校時代、通算で58ホーマーをたたき込んだスラッガー。今は投手1本。まだ若い。次回のピッチングを楽しみにしたい。
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- 本間勝(ほんま・まさる)
- 1939年(昭14)5月1日生まれ。愛知県出身。中京商(現中京大中京)を卒業後、58年に阪神タイガースに入団。投手として活躍し、60年5月15日の巨人戦で初勝利をマーク。この年に13勝を挙げた。66年に西鉄に移籍。翌年、現役を引退。
現役生活は実働10年で、216試合に登板。28勝38敗。16完投、4完封で377奪三振。通算投球回数は693回1/3で防御率2・86。
退団後は14年間の新聞記者生活を送る。球団の営業担当などを歴任し、阪神の球団広報に。吉田義男氏(日刊スポーツ客員評論家)が3度目の監督に就任した時は広報部長。大物外国人グリーンウェル(レッドソックス→阪神)が「神のお告げ」で途中帰国したときの対応に苦慮。「あの年は、なかなかしんどかったですなあ」と振り返る。星野監督には、シーズン中の記者とのお茶会を進言。「あれだけ気の利く監督でしたから。広報の私は必要ないですな、と言ったこともありましたよ」。激しいスクープ合戦を繰り広げる虎番記者と、監督や選手との調整に手腕を発揮した。長い記者生活のキャリアを生かした名物広報ぶりに、お世話になった虎番は多数。
現阪神タイガースOB会副会長。
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