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2008年6月27日

復活を期して

~中日・佐藤充投手~

 交流戦が終了した。セ・パ両リーグとも通常のペナントレースが再開される。6連戦が当たり前になる。ローテーションをきっちり守っていくためには、先発投手が6人必要になる。チームにとってはのどから手が出るほどほしい。24日、鳴尾浜球場での阪神戦。中日ドラゴンズのマウンドにあがったのは佐藤充投手(30)。日体大-日本生命を経て入団。今季が5年目。一昨年、交流戦で5勝をマーク。6月の月間MVPに輝いた。その年9勝を挙げてブレークしたが、昨年は勝ち星なし。復活を期す今シーズン、ウエスタン・リーグの成績は、6月24日現在、10試合に登板して5勝3敗。防御率は2・54。1軍昇格をかけた注目のマウンドは-。

 初回、いまひとつコントロールが定まらない。2死から桜井、今岡の3、4番を歩かせた。不安を抱かせる立ちあがりだ。だが、このピンチを切り抜けてからは、ストライクが先行しだした。持ち味の角度あるスライダーが、目に見えて良くなった。「立ちあがりは、球が指にひっかかり過ぎて制球が乱れましたが、中盤からは下半身を意識して使うようにして調子が戻ってきました」は佐藤充の話。本人も自分のピッチング内容はわかっていた。結果は、散発3安打の完封勝利。バットの芯で捕えられたヒットは1本だけ。今岡に左前打されたが、投手自身の感覚は完全に詰まらせた打ち取った打球だ。

 実績のある投手だ。調子を取り戻してくれるなら、こんな心強い事はない。今シーズン、一度1軍で登板しているが、結果を出せず明くる日、即ファーム落ちした。テーマを持って復帰を目指した。「腕を強く振って投げてストライクが取れること。ストライク先行でバッターと勝負できるようにすること。やはり、首脳陣が安心して見ておれるようにならないと、なかなか1軍へは上げてもらえませんから。でも、この前1軍で投げた時、内容はあまり良くなかったかもしれませんが、その中で、何球かは自分で納得できる球がありましたので、下に落ちても、それほどショックはありませんでした」。前向きな姿勢がいい。制球力は体でリリースポイントを覚えること。練習の時から集中力を持って、一球一球感触をつかみながらのピッチングを心掛けてほしい。

 高橋ピッチングコーチの目にはどう映ったか。「今日は良かったと思うよ。立ちあがりはちょっと不安だったが、3回ぐらいからはスライダーが切れてきたし、自分のピッチングができたんじゃあないですか。早めに追い込んで勝負していたし、これならいけると思うね。これからの1軍は、先発投手が必要になるし、オファーがあれば推薦しますよ」。及第点をつけた。阪神もこの日は、ボーグルソンが先発し安藤が2イニング投げた。24、25日に投げた投手は、1軍復帰をにらんだ登板に違いない。佐藤充しかりだ。

 この世界、1軍で投げて、いいピッチングをして初めて評価される。1軍経験者の佐藤にはよくわかっている。「今日は腕を強く振って投げてストライクが先行したし、勝負球を投げることができました」。テーマは解消しつつある。「やっぱり上で投げたいですから」。夢を追い続ける勇気を持て。勇気は何事にも勝る自信を与えてくれる。


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ウエスタン一番星
本間勝(ほんま・まさる)
 1939年(昭14)5月1日生まれ。愛知県出身。中京商(現中京大中京)を卒業後、58年に阪神タイガースに入団。投手として活躍し、60年5月15日の巨人戦で初勝利をマーク。この年に13勝を挙げた。66年に西鉄に移籍。翌年、現役を引退。
 現役生活は実働10年で、216試合に登板。28勝38敗。16完投、4完封で377奪三振。通算投球回数は693回1/3で防御率2・86。
 退団後は14年間の新聞記者生活を送る。球団の営業担当などを歴任し、阪神の球団広報に。吉田義男氏(日刊スポーツ客員評論家)が3度目の監督に就任した時は広報部長。大物外国人グリーンウェル(レッドソックス→阪神)が「神のお告げ」で途中帰国したときの対応に苦慮。「あの年は、なかなかしんどかったですなあ」と振り返る。星野監督には、シーズン中の記者とのお茶会を進言。「あれだけ気の利く監督でしたから。広報の私は必要ないですな、と言ったこともありましたよ」。激しいスクープ合戦を繰り広げる虎番記者と、監督や選手との調整に手腕を発揮した。長い記者生活のキャリアを生かした名物広報ぶりに、お世話になった虎番は多数。
 現阪神タイガースOB会副会長。

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