2009年9月07日
マネの天才。
千葉ロッテマリーンズの安打製造機・福浦和也選手について、もう少し話をしよう。福浦のトレードマークは振り子打法。そのバッティングスタイルはイチローと重ね合わせることが多いが、福浦がお手本にしたのは、MLBきってのスラッガー、シアトルマリナーズのケン・グリフィー・ジュニアである。
福浦は入団当初から、周囲に天才とささやかれながら、怠惰な毎日を送っていた。それは、自分にいま何が必要なのかを探しあぐねる姿でもあった。そこで巡り会ったのがケン・グリフィー・ジュニアの活躍。流れるようにしなやかなフォームで、安打や本塁打を量産していく姿が、福浦を釘付けにさせた。福浦は数多くの映像を取り寄せ、徹底的にそのフォームを研究する。方向性を見失っていた男が、一筋の道をはっきりと見いだした。そして福浦がしたことは徹底的にマネすること。体の捌き方や腕の振り、走塁に映るまでを目に焼きつけ、マネすることを出発点に自分にあったスタイルにしていく。その取り組みが実を結び、念願の1軍昇格、そして6年連続打率3割の偉業達成につながっていった。
ゼロから何かを生み出す「発明」は容易なものではない。しかし、すでに在るものを手本に「発展」させることで、成功の可能性を高めることができる。その点に気づき、結果を出した福浦はマネすることにも天才だったといえるだろう。
そしていま、福浦自身もマネをされる、お手本になる選手を目指している。バッティングはさることながら、守備や走塁、練習への取り組み、その他すべてのプレーに熱く取り組む。人々の視線を受け、それに恥じないプレーを見せることで、野球への関心や期待、楽しみを高めていこうと考えている。そのひとつの方法として、福浦は休日のゲームに子どもたちをスタジアムに招いている。「PLAY BALL!PROJECT・KAZUYAシート」として福浦が守る一塁キャンバスの目の前のスタンドで観戦してもらおうというものだ。
福浦のこの話をカミさんにすると、マネの天才はわが家にもいるという。ふたりの息子たちの仕草が自身に似てきたとよく言われるようになってきた。子どもというのは、まず身近なもののマネをしてみたくなるものだ。親としてひとつでもマネされることが増えるよう、日々を真剣に過ごしていきたいものだ。
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- 本気太郎(ほんき・たろう)
- 「子どもを子ども扱いしない」を信条として、人間どうしの付き合い方を子育てに模索する、小学5年と4歳になる男の子の父。WBCに魅せられ、野球の面白さをいまさらながら見出したアラフォーオヤジ。
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