2009年8月31日
福浦和也。(後編)
シーズン途中まで打率4割に上り詰めながら、なにより自分を応援してくれていた母を病気で失い、結局その年、満足な成績を残せなかった福浦和也選手。打者として認められる3割にあとヒット1本に泣いた翌年からは、意識改革をバネに日本人では8人目となる6年連続3割の快挙を手にする。
福浦の意識改革はまず、ひとつひとつのプレーを大切にすること。打つ、走る、投げる、捕る。すべての場面で本気でプレーすること。怠惰な生活態度で寮を追い出されるほどだったころに比べると、まるで別人だ。そして、観客とのつながり。以前、ガンを宣告された母に、より多くの活躍を目に焼きつけてもらいたいと奮起した。それが今では、福浦を見つめてくれる観客からも大きな力を与えてもらっていることに気づいたのだ。そして、観客の期待に応えることで彼ら自身に歓びを与えられることを感じ取るようになる。
福浦は、さらに人とのつながりを求める。普段球場に足を運ぶチャンスが少ない人たちにも、野球を通じてこちらからコンタクトすることに取り組んでいる。そのひとつが、特別支援学校などの生徒たちの球場への招待。ジョニー黒木らが進める、野球を通じて人を育むことを目指す「PLAY BALL!PROJECT」の一貫として、福浦は千葉マリンスタジアムに「KAZUYAシート」を用意している。週末の昼下がり、野球観戦をきっかけに外に出て、青空のもと野球の楽しさを感じてもらおうというものだ。そしてこの「KAZUYAシート」、座ると目の前で守備につく福浦がより大きく、身近に感じられる。自分たちをゲストに招いてくれた本人が目の前でプレーする。子どもならずとも実にワクワクさせられる特別席だ。このほかにも、オフには自らが特別支援学校や福祉施設などに足を運び、バッティングの指導やキャッチボールを通じて子どもたちと交流を図っている。
野球を通じて人々との関わりを持つ。ヒーローインタビューでもあまり多くを語らない寡黙な男ならではの、コミュニケーションである。
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- 本気太郎(ほんき・たろう)
- 「子どもを子ども扱いしない」を信条として、人間どうしの付き合い方を子育てに模索する、小学5年と4歳になる男の子の父。WBCに魅せられ、野球の面白さをいまさらながら見出したアラフォーオヤジ。
- PLAY BALL! PROJECTとは
- 野球を通じて社会に何かを伝えていこうとするアスリートを支援する組織。さまざまな形で活動するアスリートと参加者をマッチングさせる橋渡し的役割をし、より豊かな人間関係・社会環境の広がりを目指している。
詳しくはhttp://playball-project.com
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