1998年8月20日、甲子園で新たな伝説が生まれた。延長17回の死闘、横浜−PL学園戦。250球を投げ抜いた松坂大輔は、そのわずか2日後の決勝戦でノーヒットノーランを達成する。力と技を兼ね備え、ファンのハートもつかんだヒーローは、一気に同世代の頂点に立った。あの夏から10年。彼は海を越え、MLBという最高峰の舞台で2年連続のワールドチャンピオンを目指している。そして、もうひとつ。忘れてならないのが「松坂世代」と呼ばれたライバルたちの存在だ。あの夏の戦いは完結しても、一人一人のストーリーには続きがある。プロ入りした選手は92人。うち30人以上はすでにプロのユニホームを脱いだ。夢を実現させ、目標を達成した者がいる。一方で、新たな目標に向かって走り出した人間もいる。カベにぶつかって悩んでいる仲間もいることだろう。同じ1980年生まれの1人として、彼らの10年間を辿ってみたい−。題して「1998−2008 松坂世代・10年の軌跡」。今回、PL学園戦で決勝2ランを放った横浜高OBの常盤良太さん、ソフトバンクで活躍する和田毅投手ら5人のその後を取材した。(川口敦子)
<筆者紹介> ◆川口敦子(かわぐち・あつこ)1980年(昭55)6月21日生まれ。青山学院高等部から早大進学。新聞サークル「早稲田スポーツ新聞会」に所属し、和田毅投手(現ソフトバンク)の番記者として活躍。卒業後、法曹を目指し法科大学院へ。司法試験にチャレンジするも方向転換を余儀なくされ、現在新たな道を模索中。高校3年生だった10年前の夏は受験勉強の真っ最中。8月20日は予備校で夏季講習を受けていた。高校野球ファンの先生が1イニングごとに横浜−PL学園戦の試合経過を“速報”してくれた。忘れられない思い出だ。
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