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2010年7月14日

“チーム”の結束力を垣間見た

 「チーム」という言葉を辞書で引くと、共同で仕事をする一団の人…とある。プロ野球はチームで戦っている。監督、選手だけではなく、雑用をこなす裏方スタッフや試合運営、チケット販売に携わる球団職員まで、すべて含んでの「チーム」。4年で3度のリーグ制覇を果たし、すっかり常勝軍団となった日本ハムは、素晴らしい結束力を持った「チーム」だと思う。

 今シーズンが始まってしばらくしたころ、ある女性球団スタッフが大病を患った。すぐに手術が必要だった。休職し、無事に手術を受けたが、1度の処置で完治させるのが難しく、すぐに再手術が必要になった。短期間に2度の手術。暗い病室のベッドから天井を見上げると、迫り来る不安と恐怖に押しつぶされそうになった。また手術が成功したとしても、体力的な不安があり、復職することは絶望していた。

 手術前日、病室に1枚のユニホームが届けられた。そこには余白がないほどびっしりと、選手のサインが書いてあった。全員分あった。「一緒にがんばりましょう」。メッセージも添えられていた。このスタッフの希望もあり、闘病生活のことは選手に伏せられていた。しかし、別の職員との会話でそのことを知った選手会長の田中らが中心となり、全選手のもとをまわってサインを集め、病院へ届けた。田中や稲葉、また梨田監督は「病室で着られるように」とパーカーなどの私物や直筆メッセージもプレゼントしたという。

 驚きと感激。スタッフはベッドで涙を流した。「本当にうれしかったです。(選手は)知らないと思っていましたし。みなさんの気持ちがうれしかった」。孤独な戦いだと思っていた自身の手術には、たくさんの味方がついていた。翌日、手術は無事成功した。この職員は現在、再び「チーム」に戻り、選手たちとともに戦っている。

 田中は「“あれくらい”のことで元気になってくれるなら」と言った。確かに特別難しいことをしたわけではない。だが、シーズン中に、選手全員にサインやメッセージをお願いすることは「あれくらい」という言葉で片付けられるほど簡単なことでもないと思う。移籍1年目の選手や、外国人選手も、事情を説明されると率先してペンを走らせたと聞いた。ホームランを連発する大スターはいなくても、全員野球で勝ち続ける日本ハム。強さの一端を垣間見たような気がした。

(本間翼)


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ハム番日記
高山通史(たかやま・みちふみ)
 新潟県新潟市(旧小須戸町)出身。日刊スポーツ長野、新潟支局を経て02年北海道本社に入社。編集部。一般スポーツ、コンサドーレ札幌などを担当し、03年9月から日本ハム担当。高校3年夏の甲子園に出場して本塁打をマーク。趣味は映画(レンタルDVD)観賞と愛犬の散歩。1975年4月生まれ。
本間翼(ほんま・つばさ)
 北海道札幌市出身。在京スポーツ紙で4年間経験を積み、07年6月に入社。昨年まではプロ野球を担当し、新規参入1年目の楽天、44年ぶり日本一の日本ハムを担当した。休日は最近はじめたゴルフの練習に精を出すが、思うように上達しないのが目下の悩み。1978年4月生まれ。
石井克(いしい・まさる)
 北海道札幌市出身。1983年8月生まれ。09年9月に北海道本社に入社。同年10月から日本ハムを担当している。小学3年から野球を始め、高校時代は投手。アンダースローに転向して甲子園を目指すも、夢はかなわなかった。最も尊敬する人物は野茂英雄氏。

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