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2008年9月13日

球場での音楽-国歌斉唱は神聖な時間

 「趣味は音楽鑑賞」というと、どこか「イコール無趣味」に聞こえなくもない。それだけ音楽というものが生活に浸透していて、誰もが気軽に触れているからなのだと思います。

 球場で野球を観戦しているとさまざまな音楽を耳にします。試合を演出するためにドーム側が流している曲や、外野席の応援団が鳴らすトランペットなどなど。また選手が打席に入る際やマウンドに上がる際に流れる登場曲は、各選手がチョイスしているためそれぞれの個性が表れていておもしろいです。

 もうおなじみになった稲葉選手の「I Was Born To Love You」(QUEEN)では、ファンがメガホンを高々と掲げて円を描くようにまわす“振り付け”まで定着。一昨年、1度戦力外通告を受けた坪井選手は、<歌詞>カッコ悪い道を選んだ男 カッコ悪い夢を選んだ男というフレーズが印象的な『旅人よ~The Longest Journey』(爆風スランプ)を選曲して話題を呼びました。

 音楽には、記憶をよみがえらせる力があります。学生時代に聴いていた曲、昔の恋人と聴いた曲、仲間と熱唱した曲…日常生活では忘れかけていた当時の思い出が、その歌詞とメロディーによってよみがえってきます。今月5日の楽天戦(札幌ドーム)では、森本選手が第1打席限定で楽天セギノール選手の日本ハム時代の登場曲を流しました。仲の良かった元チームメートの札幌ドーム凱旋(がいせん)試合を演出する粋な計らい。ただ、4番打者としてリーグ連覇に貢献したセギノール選手の曲を聴いて、僕の脳裏では、異常に強かった当時のファイターズの戦いが映像となってよみがえり、鳥肌が立つようなあの時の興奮を、今季、まだ体験していないなぁと思ったりもしました。

 球場で聴ける曲の中で、唯一“生歌”なのが試合前の国歌斉唱。日本ハムは、一般募集で選ばれたファンが歌声を披露するファンサービスを実施しています。多くの観客が見守る中での大役は、本人たちの思い出にも残り、ファンサービスとしてはいいアイデアだと思います。ただ、ある家族の国歌斉唱の際、音を外してしまった照れ隠しなのか、ニヤニヤと笑いながら歌う姿が大型ビジョンに映りました。そして、そんな歌声にざわざわと苦笑するスタンドの反応。僕はどちらにも違和感を感じました。スポーツイベントの国歌斉唱は、試合前の神聖な時間。そこにファンが参加することに異論はありませんが、それまで練習してきた成果を堂々と真剣に歌い上げてほしいと思いました。また、歌っているのは“素人”なわけで、音が外れる場合だってあるでしょう。それに対して、笑いではなく拍手で応える雰囲気がつくられてほしいとも思います。

(本間翼)


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ハム番日記
高山通史(たかやま・みちふみ)
 新潟県新潟市(旧小須戸町)出身。日刊スポーツ長野、新潟支局を経て02年北海道本社に入社。編集部。一般スポーツ、コンサドーレ札幌などを担当し、03年9月から日本ハム担当。高校3年夏の甲子園に出場して本塁打をマーク。趣味は映画(レンタルDVD)観賞と愛犬の散歩。1975年4月生まれ。
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