日刊スポーツのニュースサイト、ニッカンスポーツ・コムの野球ページです。



ここからこのサイトのナビゲーションです

共通メニュー

企画特集


2010年5月18日

ダルからマエケンへ「10球」メッセージ

 エースの看板を背負った2人だけが真実を知る、心温まるような「交流戦」があった。5月15日広島戦(マツダ)。日本ハム・ダルビッシュ有が、初めて前田健太と投げ合った。

 ダルビッシュは2歳年下、同じ両リーグを代表する本格派右腕へ「10球」のメッセージを送っていた。試合後に「向こうも興味あると思うので、いろいろな球を投げた」と明かした。
 その試合で、打者の前田健とは3打席対戦。通常、右打者を攻める球種をほとんど選択したという。日本NO・1右腕と呼ばれる自分の手の内を見せ、今後の成長へつなげてほしい-。先輩としての粋な思いが込められていた。あいさつをかわしたくらいしか接点がなかった前田健は一夜明けた翌日、感謝した。「本当にありがたかった。話す機会があれば話してみたいけれど、まだ緊張して無理です」と無邪気に感謝した。
 意思疎通もできていた。前田健は違うチームに所属していたが、大阪のボーイズリーグ時代に、あこがれていた剛腕との対戦を待望していた。セ・リーグの投手の中でも打撃がいいことは知られているが、この日だけは少し消極的な気持ちだったという。「いつもは打ってやろうと思って打席に入るんですけれど、どんなボールを投げるのか見てみたいと思っていた」。ダルビッシュが想像していたように、興味津々だった。
 ダルビッシュのボールを直視して、驚きの連続だった。「きれいな真っすぐがなくてビックリした。ほかのボールもすごく動いていたし、キレもあった。イメージしていたのと全然、違った」。前田健は試合の局面を読んでの投球術にも、目と心を奪われた。0-0の投手戦。ダルビッシュが先頭打者の出塁を許した2、5回の無死一塁を、いずれも併殺で切り抜けた。「ゲッツーをとろうと思って投げている。僕にはまだその考えができない」。
 この試合は球数制限100球を設定。その条件下で、ダルビッシュは投手の前田健との3度の対戦に、貴重な合計「10球」を費やした。18・44メートルの距離を隔て、将来性を評価している逸材へ届けた思いだった。
 8回の第3打席。左中間へ、あわやという大飛球を打ち上げた。前田健がベンチへ戻る際、マウンドのダルビッシュと至近距離ですれ違った。グラブをたたきながら、この日唯一の言葉をかけてくれたという。
 「あの時に『ナイスバッティング!』って言われました。僕は途中から勝ちたくて必死だったんですけれどね(笑い)」。
 試合は、ダルビッシュが降板後の9回に0-1でサヨナラ負け。前田健は完封勝利が挙げたが「いい経験をしたので、これからに生かしたい」。ダルビッシュが投げた一夜限りの“直球”に、前田健はうれしそうにKOされていた。

(高山通史)


この記事には全0件の日記があります。


ソーシャルブックマークへ投稿

  • Yahoo!ブックマークに登録
  • はてなブックマークに追加
  • Buzzurlにブックマーク
  • livedoorクリップに投稿

ソーシャルブックマークとは

ハム番日記
高山通史(たかやま・みちふみ)
 新潟県新潟市(旧小須戸町)出身。日刊スポーツ長野、新潟支局を経て02年北海道本社に入社。編集部。一般スポーツ、コンサドーレ札幌などを担当し、03年9月から日本ハム担当。高校3年夏の甲子園に出場して本塁打をマーク。趣味は映画(レンタルDVD)観賞と愛犬の散歩。1975年4月生まれ。
本間翼(ほんま・つばさ)
 北海道札幌市出身。在京スポーツ紙で4年間経験を積み、07年6月に入社。昨年まではプロ野球を担当し、新規参入1年目の楽天、44年ぶり日本一の日本ハムを担当した。休日は最近はじめたゴルフの練習に精を出すが、思うように上達しないのが目下の悩み。1978年4月生まれ。
石井克(いしい・まさる)
 北海道札幌市出身。1983年8月生まれ。09年9月に北海道本社に入社。同年10月から日本ハムを担当している。小学3年から野球を始め、高校時代は投手。アンダースローに転向して甲子園を目指すも、夢はかなわなかった。最も尊敬する人物は野茂英雄氏。

最近のエントリー




野球ニュースランキング




日刊スポーツの購読申し込みはこちら

  1. ニッカンスポーツ・コムホーム
  2. 野球
  3. コラム
  4. ハム番日記

データ提供

日本プロ野球(NPB):
日刊編集センター(編集著作)/NPB BIS(公式記録)
国内サッカー:
(株)日刊編集センター
欧州サッカー:
(株)日刊編集センター/InfostradaSports
MLB:
(株)日刊編集センター/(株)共同通信/STATS LLC

ここからフッターナビゲーションです