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2009年1月13日

オンリーワンの森本稀哲を見たい

 2009年最初になる今回。正月気分もすっかり吹き飛んだ1月11日に、この日記を書いている。「1」並びということで強引だが、勝手にお題を、背番号1の森本稀哲外野手に決めた。

 去る年末。日本プロ野球選手会主催の横浜市内で行われたイベントを取材した。日本ハムからは、森本を含め、坂元、宮西の3選手が参加。12球団から数々の人気選手が参加したが、森本はその中でもトップクラスの人気だった。子どもたちからは特にすごく、会場中を移動するたび、追いかけ回されていた。軽快なトークで爆笑を誘い、いつものキャラクター全開だった。

 その午前中からの長丁場のイベント終了後の夕方。取材時間が設けられた。段取りミスで、元日本ハム担当だった男性記者とやや遅れて、その取材する報道陣の輪に加わった。すでに場は盛り上がっている。「失敗した…」とバツが悪く途中参加。取材相手にとっては失礼極まりない、痛恨のミスだった。

 森本が質問に答えていたが突如、中断。その旧知の男性記者と、私に向かって、それぞれに目を合わせ「ごぶさたしています。お疲れさまです」とあいさつをしてきたのだ。何もなかったかのように、質疑応答を再開。その気遣いというか優しさに、ちょっと憂うつだった気分が救われた。08年最後の取材。心温まる対応のおかげで、とどこおりなく「仕事納め」をすることができた。

 行きすぎたようにもとられるパフォーマンスなどで周囲に誤解されることも多いが、さまざまな場面で、森本の実直な人柄に触れてきた。結構、「社名」で代用されるケースが多々あると感じるが、選手には珍しく記者に対して、名前で「○○さん」と呼ぶ頻度が多い。試合中に犯したミスに対しての取材にも、毅然(きぜん)とした態度で応じる。そういう活躍した時以外は敬遠するような選手も中にはいるが、森本は例外の1人だ。年下だが、その男気に、取材対象ではなく「人間」として魅力を感じる1人でもある。

 今年で担当記者6年目。私が見ている中で、いつも新庄剛志氏がそばにいた。引退してから昨季で2年間が終了。後継者と呼ばれる「幻影」と闘いながらだった、と個人的には思う。時折、あくまで私見だが「ちょっと無理をしているのでは…」というシーンもあったように感じた。周囲から、同じような声も聞こえた。時に空回りしているようにも、見えた。新庄氏には新庄氏、森本には森本の個性がある。きっと重かったであろう背番号1。2年間の重荷を下ろした、軽快なグラウンドでの姿を、自分自身のカラーを発揮してくれることを、今年は期待したい。

 さらに1が並ぶ、プロ11年目。新庄2世ではない、オンリーワンの森本稀哲を見たい。

(高山通史)


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高山通史(たかやま・みちふみ)
 新潟県新潟市(旧小須戸町)出身。日刊スポーツ長野、新潟支局を経て02年北海道本社に入社。編集部。一般スポーツ、コンサドーレ札幌などを担当し、03年9月から日本ハム担当。高校3年夏の甲子園に出場して本塁打をマーク。趣味は映画(レンタルDVD)観賞と愛犬の散歩。1975年4月生まれ。
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