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2008年3月13日

プロ野球の新しい楽しみ方

◇球春到来

 プロ野球は、オープン戦真っ盛りです。
 去った顔を寂しく思い出すのと同時に、新しい顔の輝きに目を奪われる。
 そんな季節がやってきました。
 どんなシーズンスポーツにも、シーズン開始前のワクワクするような感覚はありますが、プロ野球の場合は一味違います。
 「球春」という言葉が、それを表しているように、まさに、春と共にプロ野球シーズンがやってくるという、ファンにとってはたまらない季節なのです。

 この時期になると、今年の展望や予想がスポーツ紙、テレビ、ウェブサイトなどを賑わします。
 「球春」の風物詩であるその予想を、このコラムでもやってみようと思います。

◇予想のための分析

 今回はまず、2007年シーズンを振り返ってみることにします。
 2007年シーズンのデータを分析することで、2008年の展望も見えてくると思うからです。

 さて、分析のためにこのコラムではBBR(ベースボールレイティング)というデータを利用します。
 BBRとは、株式会社スポーツレイティングスが開発したレイティングシステムにより、プロ野球選手一人一人の活躍を試合ごとに100点満点で評価する数値のことです。

 野球の成績は、打点、打率、ホームラン、防御率、奪三振数、被安打数等など、様々なデータがありますが、異なる成績で選手を比較することはできませんし、それらを総合した順位を決めるのは難しいと思います。
 BBRというデータは、そうしたバラバラになったデータを1つのデータに統合したもので、 BBRの値が高ければ総合的な評価が高いと見ることができるのです。

 このBBRには特徴がいくつかあるので、まずはそれを紹介したいと思います。

<BBRの特徴>

・試合での成績により客観的に算出されている
 NPB-BISの試合結果データを利用して、プログラムにより自動算出されており、
人の主観が入らない客観的な数値となっています。

・試合状況を考慮している
 同じ成績を残した場合でも、それぞれの結果がどのような試合展開の中で生まれたのかを数値化しています。
 簡単に説明しますと、いい場面で活躍した選手ほど評価がよくなるという仕組みとなっています。

・地味な活躍も評価される
 打者で言えば、例えば進塁打を打った場合、結果としてはただの凡打としか残りませんが、BBRではそれに順ずるような形で評価されます。

※BBRは、ドリームベースボール(DBB)のサイトで閲覧できます。会員登録は無料となっています。
http://www.d-bb.com/


◇2007年BBR先発投手ランキング

 このようにして1試合ごとに算出されたBBRの2007年の年間平均のデータを部門ごとに見ていきたいと思います。
 まずは、先発投手のベスト10です。

player01.gif

 昨年マウンドでいい働きをした投手が並んでいます。
 その中でも、ダルビッシュ選手と成瀬選手の点が群を抜いているのがよく解ります。

 実際、ダルビッシュ選手と成瀬選手ではどちらがよかったのでしょうか?
 防御率はともに1.82で、互角です。
 ですが、BBRではダルビッシュ選手の方が高い評価を得ています。
 防御率では互角、勝ち星数では成瀬選手が上。
 しかし、BBRでは沢村賞を受賞したダルビッシュ選手が2007年最も評価された投手となります。
 それがはっきりと数字で出るのがBBRの利点です。

 ところで、平均ということになると、16勝1敗の成瀬選手の方が15勝5敗のダルビッシュ選手よりもBBRが高くなるのではと思うかもしれません。
 しかし、結果は逆であり、そこにダルビッシュ選手の凄さが見え隠れするのです。
 ダルビッシュ選手は、登板26試合中、100点が3試合、90点台が6試合、80点台が8試合。実に65%の試合で80点以上という高いBBRを叩き出していました。
 これに対して成瀬選手は、登板24試合中、100点が2試合、90点台が6試合、80点台が4試合。80点以上の比率は50%です。
 BBRは投手の場合、投球内容がよいとポイントも上昇しますので、ダルビッシュ選手がいかに素晴らしいピッチング内容が多かったかが、このデータから読み取っていただけると思います。


◇2007年BBRリリーフ投手ランキング

 次に、中継ぎと抑えを合わせた、リリーフ投手のランキングを見ていきたいと思います。

player02.gif

 当然と言えば当然ですが、JFKが揃ってベスト10に入っています。
しかも、セットアッパーのウィリアムス選手とクローザーの藤川選手が1、2位を分ける状況です。
 また、年間90試合も投げた久保田選手も、多投であってもクオリティが落ちていないことを証明した格好となっています。

 ランキングを見て解るのは、昨年上位に入ったチームのリリーフ投手が上位を占めていることです。
 セ、パで3位以内に入ったチームでここに入っていないのは、ロッテだけですが、そのロッテの場合は先に挙げた先発投手のランキングで、最も多い3人がベスト10に入っています。
 やはり、上位に入るためには、いい先発が多いか、先発が今ひとつの場合はそれをカバーする強力なリリーフ陣が必要となるのです。


◇2007年BBR野手ランキング

 最後に、野手のベスト10を見てみたいと思います。

player03.gif

 打率で3割打者は、セでは9人いるのに対し、パでは5人だけしかいませんでした。
 本塁打でも、30ホーマー以上はセの8人に対し、パは2人だけです。
 これを反映するように、BBRでもベスト10のうち8人までがセ・リーグの野手という結果となっています。

 もう少し分析してみますと、セ・リーグで年間BBR上位に入った野手は、ホームランもよく打っているのに対し、パ・リーグで上位に入った川崎選手、稲葉選手はホームランバッターではありません。
 普通に考えると評価が高そうな、ホームラン王を争った山崎武選手やローズ選手は、BBR上位には入ってこないのです。
 この結果は、パのホームランバッターは、安定性の面で欠けていたことを表しています。
 一方、セ・リーグの上位打者は、バランスよく活躍できたことがBBRの年間平均を分析することにより読み取れるのです。


 先発投手、リリーフ投手、野手と分けて、2007年のBBR成績上位者を分析してきましたが、一般に使われる打率や防御率のデータとは一味違った分析が、BBRを使えば見えてくることが分かっていただけましたでしょうか。

 個々の選手の様々な面を評価するには、様々な角度から分析するのが理想的だと思います。

 その1つの角度として、弊社が開発したBBRという評価基準を取り入れていただくのも面白いかもしれません。

 さて、BBRをキーに2007年を振り返ってきました。
 次回はいよいよ、それをベースにして、2008年を展望してみたいと思います。
 まずは、先に開幕するパ・リーグから見ていくことにしましょう。

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