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2011年2月22日

「看板のない名店」の自信

 中日担当として8年連続の沖縄。北谷の街にはなじみの店ができた。珍しい看板メニューがあるわけではない。有名人が来るわけでもない。手作りの料理と丁寧な接客が売りのいわば「看板のない名店」だ。その良さは、のれんをくぐった人にしかわからない。

 キャンプ中のある日、落合監督はスポーツ新聞を広げると、その日の1面を指でたたきながら笑った。「こうやって取り上げられる選手が出てきたってことは、野球界にとっていいことだよ」。堂々と1面を占拠していたのは「佑ちゃん」こと日本ハム・斎藤佑樹投手(22=早大)。指揮官は、これからの野球人気を支えるであろうスター候補生の出現を歓迎していた。

 ただ、落合監督らしさはこの後にある。「こうやってマスコミの目があっちに向いているってのはいいことかもな。こっちにとってはな」。にやりと笑った。世間の関心が佑ちゃんに注がれている。その裏で、セ・リーグ王者は厳粛にキャンプを進めている。変わった練習などない。圧倒的な量の基本練習を、競争によって生まれる緊張感の中で黙々と続けている。

 2月、名護の「大看板」は人々を吸い寄せた。佑ちゃん初ブルペンの日は、梨田監督自らマスクをかぶった。スター性を引き出す指揮官の演出もまた見事だった。一方、北谷に人目を引く「看板」は見当たらない。指揮官にも演出する気はさらさらない。賛否はあるだろうが、野球職人らしいやり方だと思う。

 記者は店を選ぶ時、看板の控えめな店を選ぶのが好きだ。「うちの良さは入ればわかる」-。そんな店主の自信が表れている気がするから。3月25日をもって“開店”となる落合野球も同じだろう。佑ちゃんフィーバーを歓迎すらした落合監督の余裕に、底知れぬ自信がうかがえた。

(鈴木忠平)


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鈴木忠平(すずき・ただひら)
 2000年入社。アマチュア野球、中日、ボクシングなどを取材した後、04年の落合政権誕生時から中日担当に。日本一を1回、リーグ優勝を2回取材した。
桝井聡(ますい・さとし)
 06年入社。高校野球、ラグビーなど東海地区のアマチュア競技を担当。今年4月から中日担当。京都府生まれ。趣味は国内旅行。

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