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2009年10月13日

CSの竜「見くびるなよ」

 リーグ全日程が終了した。クライマックス・シリーズを前に思うことがある。あれは巨人に優勝を決められた9月21日からの東京ドーム3連戦の最中だった。宿敵に力の差を見せつけられ、敗れるチームを指揮しながら落合監督はこう話していた。

 「堤防が決壊したんだよ。これはだれにも止めることはできないんだ。オレたちは時間をかけてそれを修復しないといけない。そして、その時間はあるんだ。どんな洪水だって、いつかは止まるんだ」。

 記者の予想では「堤防」から水が漏れ始めたのは8月25日からの巨人3連戦。2・5ゲーム差で迎えた本拠地での首位攻防戦に3連敗してからだと思う。9月に入ってズルズルと後退していくチーム。指揮官は普段はやらないミーティングを招集して選手にげきを飛ばした。選手も必死で戦った。それでも決壊は止まらなかった。悔しさ、無力感を最も感じていたのは洪水のど真ん中にいた選手であり、指揮官だったはずだ。

 「オレは今でもクライマックスには大反対だ。優勝争いより、3位争いが注目されるなんてあってはいけないことだ! でも、そういう制度があって、日本一になる可能性がある以上、それに向かって最善を尽くすのがオレの仕事だ」。

 優勝決定前に、CSへの準備を始めるような落合さい配に批判の声があったのは確かだ。ただ、これまでどんなに強がりと皮肉られようと、常に最後まで「優勝できる」と豪語してきた指揮官がCSへと舵を切った。それほどチーム状態は深刻だったということだろう。

 巨人の3連覇を見せつけられたあの日から20日が経った。CSは4日後に迫っている。壊れた堤防は修復できたのか-。「見くびるなよ」という言葉に竜党は希望を託す。落合監督の手腕、選手の反骨心が試される戦いだ。

(鈴木忠平)


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村野森(むらの・しん)
 94年入社。ロサンゼルス支局で大リーグ担当、大阪でプロ、アマ野球担当などを経て06年11月から名古屋勤務。09年2月から中日担当キャップ。70年12月、北海道生まれ。
鈴木忠平(すずき・ただひら)
 00年に入社後、01年に中日を担当。その後アマチュア競技、ボクシングなどの担当を経て04年オフの落合政権誕生時から再び担当に。幼少時は大の西武ファンだった。埼玉県生まれ、29歳。
福岡吉央(ふくおか・よしてる)
 79年、岐阜県生まれ。02年入社。社会担当(株レンジャー)、芸能担当(お笑い、テレビ)、阪神担当を経て08年11月から中日担当。99年のリーグ優勝は神宮球場の左翼席から見届けた。
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 06年入社。高校野球、ラグビーなど東海地区のアマチュア競技を担当。今年4月から中日担当。京都府生まれ。趣味は国内旅行。

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