2009年3月18日
サバイバルレース、今年も落合監督は沈黙
今年も落合監督に「沈黙の時」が訪れた。オープン戦が始まってから監督会見は行っていない。試合後は選手個々の評価を口にすることもない。開幕前のこの時期に、いや、この時期だからこそ指揮官は口を閉ざすのだ。
昨年もそうだった。キャンプイン初日の2月1日に会見を行った後、徐々に口数が減る。そしてオープン戦が始まってからは一切、口を開かなくなる。今年も同じパターンだ。なぜか。その答えを公の場で説明したことがあった。
3月5日、名古屋市内のホテルで「ドラゴンズ後援会総会」が催された。中部地区の財界人が集ったパーティーで落合監督はあいさつに立った。そして冒頭でこう言い放ったのだ。
「本日はこのような会を催していただきありがとうございます。ただ、せっかくですが、野球の話はしません。うちの選手は敏感なんです」。
この言葉に場の空気は一瞬、張り詰めた。横に並んでいた選手たちの表情は一様に神妙になった。つまり監督がオープン戦の段階で選手の評価を口にすれば、それは報道を通じて選手の耳に入る。それによる心理的影響を考え、あえて口を閉ざしているのだ。
中田、吉見、チェン、朝倉、小笠原らによるローテ争い。藤井、野本らによる中堅争い。ブランコ、デラロサ、パヤノらによる外国人枠争い。数あるポジション争いの最終結論が出るのは開幕1軍登録期限である3月31日なのだ。
途中経過を知らされないサバイバルレース。選手たちは最後まで全力で走り切るしかない。そして、記者は最後まで取材と洞察を積み重ねるしかない。この緊張感がいい結果を生む-。そう信じるからこそ、落合監督は沈黙するのだろう。
(鈴木忠平)
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- 村野森(むらの・しん)
- 94年入社。ロサンゼルス支局で大リーグ担当、大阪でプロ、アマ野球担当などを経て06年11月から名古屋勤務。09年2月から中日担当キャップ。70年12月、北海道生まれ。
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- 鈴木忠平(すずき・ただひら)
- 00年に入社後、01年に中日を担当。その後アマチュア競技、ボクシングなどの担当を経て04年オフの落合政権誕生時から再び担当に。幼少時は大の西武ファンだった。埼玉県生まれ、29歳。
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- 福岡吉央(ふくおか・よしてる)
- 79年、岐阜県生まれ。02年入社。社会担当(株レンジャー)、芸能担当(お笑い、テレビ)、阪神担当を経て08年11月から中日担当。99年のリーグ優勝は神宮球場の左翼席から見届けた。
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- 桝井聡(ますい・さとし)
- 06年入社。高校野球、ラグビーなど東海地区のアマチュア競技を担当。今年4月から中日担当。京都府生まれ。趣味は国内旅行。
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