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2006年6月20日

サッカーにも通じる福留の極意

 6月13日は朝からもやもやした気分だった。サッカーのドイツW杯で日本代表がオーストラリア代表に敗れた翌日。「なぜジーコ監督は…」。一丁前の敗因分析をしながら監督、選手とも自然とその話題へ。すると、打者として抜群の実績を誇る2人は同じ点を指摘した。

 落合監督 オレは戦術のことなんかはわからないから何も言えないけど、ゴールがすぐそこにあるんだからシュートを打ちゃ入る気がするんだけどな。

 福留 うーん、監督どうこうというのもあると思うけど、グラウンドに立っているのは選手なんだから。もっと選手がやれることがあったんじゃない。

 同じプロ選手として配慮しながらの言葉だったが、要はFWがシュートを打たないことへの指摘だった。

 バットを振ること、シュートを打つことは似ている。例えば試合の中で最大のチャンスで打席に立つ。初球にストライクが来た。もし打ち上げてしまったら?もし内野ゴロになったら?マイナスイメージと重圧が打者を金縛りにかける。高原が、柳沢がシュートチャンスにパスを選択したのもこれと同じではないか。そして、落合監督も、福留も日々この重圧と戦ってきたからこそ歯がゆかったのではないか。

 例えば福留は初めての投手と対戦した時、必ずファーストストライクを振る。「ボールを見ているだけじゃ自分のタイミングがつかめない。それに振らなきゃ何も起こらないんだから」。まだ記憶にある3月のWBC準決勝・韓国戦、0-0の7回1死二塁。代打で登場した福留は外角いっぱいの球で1ストライクを取られた後に思った。「もう何でも振っていこう」。そんな心境になった瞬間、あの本塁打は生まれた。

 18日、クロアチア戦。日本代表はまるでそんな声が届いたかのようにシュートを打った。ゴールはできなかったが、大事なのは打ち続ける勇気だと思う。1本の本塁打の裏にも、必ず多くの凡打があるのだから。

(鈴木忠平)


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伊藤馨一(いとう・けいいち)
 岐阜県出身の34歳。97年オフから中日を担当。99、04、06年と3度の優勝を知っているのがささやかな自慢。自分の目で見て自分の耳で聞いたものをまず信用する。まず「観察」してからものを言うというのがモットー。
鈴木忠平(すずき・ただひら)
 00年に入社後、01年に中日を担当。その後アマチュア競技、ボクシングなどの担当を経て04年オフの落合政権誕生時から再び担当に。幼少時は大の西武ファンだった。埼玉県生まれ、29歳。
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 広島県生まれの31歳。00年に入社して格闘技、相撲、サッカーを取材。「突撃取材」でボクシングの世界王者とスパーリングして3度ダウンした経験も。06年11月から中日担当。

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