2009年5月12日
「ブランコ4番」に見える落合流極意
新外国人ブランコが開幕から4番にすわり続けている。打率は一時2割を割り、昨年の4番ウッズに比べ弱点も目立つ。それでも不動。チームでただ一人、打順が替わっていない。なぜか。そこには落合監督ならではの視点がある。
指揮官は言う。「森野や和田を4番にしたら(打てなければマスコミから)集中砲火を浴びるんだ。それにあいつらが耐えられるのか? ブランコなら、書かれていることを通訳が訳さなければ済む」。4番打者は打って当然。打てなければたたかれる。現役時代から4番の重責を受け止めてきた指揮官が、キーマンである森野、和田を長いシーズンで生かし切ることを考え、この時期は動くべきではないと判断したのだ。
打線はここにきて本来の姿を取り戻してきたが、どうしようもないほど苦しんでいた。荒木、井端の1、2番が手探りの状態で、3番森野も不調。レギュラー経験のない藤井、野本らが奮闘せざるを得ず、つながりなど望めなかった。これでは誰が4番でも結果を出し続けるのは難しい。好調なら勝負を避けられ、スキがあれば徹底的に弱点を突かれるからだ。そんな事情も考慮し、あえて実績のないブランコに白羽の矢をたてたのだろう。
それでも指揮官は、一方で悩める助っ人の英才教育にも取り組んでいた。上体をリラックスさせること、バットを最短距離で出すこと、頭を寝かせて打たないこと…。毎日声をかけるか思えば、数日間黙って見守り頭を整理させる。そうするうちにブランコの成績は打率2割8分2厘、打点21、本塁打6と、4番らしい数字に落ち着いてきた。
主砲が不調なら打順を落としたくなるもの。だが、対症療法だけでは後手を踏む。持ち駒すべてを生かす落合流の用兵に、シーズンを戦い抜く極意をかいま見た気がする。
(村野森)
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- 94年入社。ロサンゼルス支局で大リーグ担当、大阪でプロ、アマ野球担当などを経て06年11月から名古屋勤務。09年2月から中日担当キャップ。70年12月、北海道生まれ。
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- 鈴木忠平(すずき・ただひら)
- 00年に入社後、01年に中日を担当。その後アマチュア競技、ボクシングなどの担当を経て04年オフの落合政権誕生時から再び担当に。幼少時は大の西武ファンだった。埼玉県生まれ、29歳。
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- 06年入社。高校野球、ラグビーなど東海地区のアマチュア競技を担当。今年4月から中日担当。京都府生まれ。趣味は国内旅行。
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