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2008年10月04日

焼きつけてほしい、スポーツ選手の最後の姿

 プロ17年目の上田佳範外野手(34)が9月28日、ナゴヤドームでの本拠地最終戦で「引退試合」に臨んだ。横浜戦に「6番右翼」で先発して、1回裏2死一塁の1打席目で投ゴロに倒れて、現役生活にピリオドを打った。落合監督は「難しいんだけどな。本当は最初に1番とかでパッと使ってやるのが、いいんだけど」。功労者に対するねぎらいとクライマックスシリーズ出場権を争う指揮官としての揺れる心境を口にした。

 昨年10月5日の広島とのホーム最終戦でもデニー友利氏が「引退試合」として登板。栗原を三ゴロに仕留めて、ユニホームに別れを告げた。前日4日には森バッテリーチーフコーチが「明日は最後にデニーに投げさせるよ!」。投手起用に秘密主義を貫く同コーチとしては異例の発言。そのぎこちない口ぶりに友利氏に対する愛情がにじんだ。

 引退試合は、スポーツによってさまざまだ。ボクシングの元WBC世界スーパーフライ級王者徳山昌守氏はこう言った。「ボクシングは終わりのないトーナメント」。ベルトを守る度に、次の挑戦者が現れる。負ければ、次の保証はない。大相撲では引退の意思を表明した時点で、次の取り組みができなくなる。「無気力相撲」が発生する可能性があるからだ。あとで振り返って「あれが引退試合だった」と思う競技もある。

 落合監督は、オリックス清原の引退試合について冷静な態度だった。ただ「満員になるのか?」と、観客動員数を気にかけていた。今年もスポーツ界でいく人かの選手が引退する。願わくば、1人でも多くのファンがその姿を目に焼き付ける機会があれば、と思う。

(益田一弘)


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伊藤馨一(いとう・けいいち)
 岐阜県出身の34歳。97年オフから中日を担当。99、04、06年と3度の優勝を知っているのがささやかな自慢。自分の目で見て自分の耳で聞いたものをまず信用する。まず「観察」してからものを言うというのがモットー。
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 00年に入社後、01年に中日を担当。その後アマチュア競技、ボクシングなどの担当を経て04年オフの落合政権誕生時から再び担当に。幼少時は大の西武ファンだった。埼玉県生まれ、29歳。
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