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2008年3月17日

ルーキー山内がみせた冷静な1球

 一瞬の間が空いた。11日の西武とのオープン戦の8回裏。マウンド上には大学・社会人ドラフト1巡目山内壮馬投手(22=名城大)、打席には西武赤田。1死走者なしのカウント2-0。オープン戦初登板でリズムよくボールを投げていたルーキーがじっとして動かない。目をこらすとあごを右方向に少しだけ振っていた。

 29歳の捕手小川のサインに首を振って投げ込んだのは、ストレートでなくチェンジアップ。赤田のタイミングを外して二ゴロに仕留めた。試合後に山内に聞いた。「出ていたのは内角ストレートでした。首を振ったのは、何となくチェンジアップの方がいい感じがしたから。気持ちよく投げられました」。

 初登板のルーキーならば、気持ちがはやって直球勝負を選んでも不思議はない。ただ山内は冷静だった。この日の初球もカットボールだった。全10球中ストレートは2球だけ。カットボールを中心に1イニングを打者3人で無安打無失点のパーフェクトに抑えた。そして何よりも自分の直感を信じて、捕手のサインを拒否することを実行した。

 山内の直球は決して速くはない。この日の最速は141キロだった。一方でカットボールは138キロを記録した。田中監督付スコアラーは「直球は驚くほど速くないけど、カットボールのスピードは速い。球速差が少ないから打者は嫌だろう。あとはマウンドでの投げっぷりがいいね」。山内は「148キロとかそんなスピードは絶対出ないですよ」とあっさり言う。自分の長所が球速ではないことを把握し、どうやって打者を打ち取るかを考えている。

 クルスの負傷離脱で、山内が「右の中継ぎ」に入る余地は十分ある。キャンプ中は2軍調整で、他球団にほとんど投球を見せていない利点もあるだろう。オレ竜の開幕ダッシュに山内がひと役買うかもしれない。

(益田一弘)

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 岐阜県出身の34歳。97年オフから中日を担当。99、04、06年と3度の優勝を知っているのがささやかな自慢。自分の目で見て自分の耳で聞いたものをまず信用する。まず「観察」してからものを言うというのがモットー。
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