2007年2月03日
41歳山本昌、憧れの「全日本」
「全日本」という言葉に、新鮮な驚きを受けた。星野ジャパン誕生から一夜明けた1月26日。山本昌が、ナゴヤ球場でたった1人の自主トレを行った。その帰り際に08年北京五輪について聞いた。「日本代表に興味はありますか?」。
山本昌は来年は43歳になっている。現実的に北京のマウンドに立つことは困難ではある。だがプロの選手には強烈なプライドがなければ、毎日を戦っていけない。山本昌の口からあふれ出た言葉は、こちらの予想以上に情熱的だった。
「招集されれば、応じますよ。1度は全日本のユニホームを着たいという憧れはある」。
日本代表でもジャパンでもなく、全日本。まだ五輪もメジャーも身近でなかった83年に中日に入団して、プロ24年目を迎えるベテラン左腕の年輪を感じさせる言葉だった。それとは裏腹に、まるで子どものようなに純粋なあこがれが無邪気な口調ににじみ出ていた。
その姿に、サッカー担当時代に取材した横浜FCのFWカズを思い出した。カズも「現役である限りは代表のユニホームは夢」といまでも口にする。神戸時代の04年11月。当時、日本代表を率いたジーコ監督が「代表の功労者」としてカズの招集を計画した。神戸は金びょうぶを並べた会見場を準備したが、現役代表選手らの反対もあって見送られた。それでもカズは「可能性が少ないのはわかっている。でももう1度行きたい」と公言している。どんなに困難でも最後の代表入りが現役生活を続けるモチベーションになっている。
山本昌は「まあ冗談ですけどね」とも口にしたが、その顔は真剣だった。200勝まであと9勝に迫ったプロ中のプロが、日の丸に特別な感情を抱いている。自身の全盛期で五輪のプロ参加が認められなかった90年代への郷愁もあるかもしれない。41歳が口にした素朴なあこがれにハッとさせられた。
(益田一弘)
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- 岐阜県出身の34歳。97年オフから中日を担当。99、04、06年と3度の優勝を知っているのがささやかな自慢。自分の目で見て自分の耳で聞いたものをまず信用する。まず「観察」してからものを言うというのがモットー。
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- 鈴木忠平(すずき・ただひら)
- 00年に入社後、01年に中日を担当。その後アマチュア競技、ボクシングなどの担当を経て04年オフの落合政権誕生時から再び担当に。幼少時は大の西武ファンだった。埼玉県生まれ、29歳。
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- 益田一弘(ますだ・かずひろ)
- 広島県生まれの31歳。00年に入社して格闘技、相撲、サッカーを取材。「突撃取材」でボクシングの世界王者とスパーリングして3度ダウンした経験も。06年11月から中日担当。
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