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2007年9月21日

苦節10年、新天地で開花した元竜投

 堂々とした様子は“1軍選手”のオーラを放っていた。名古屋への移動のため新幹線ホームへ向かっていた東京駅。なつかしい顔にあった。小山伸一郎。覚えている中日ファンの方も多いだろう。96年のドラフト1位で中日に入団。150キロの直球とスライダーで将来を嘱望された右腕。中日ではチャンスを生かしきれず、04年オフの楽天球団発足と同時に無償トレードで移籍していた。

 小山にとって今季は飛躍のシーズンとなっている。クローザーの福盛が右ひじ手術のため離脱。野村監督によって、その後釜に抜てきされると、一気にブレーク。20日現在の成績は24試合に登板して3勝1敗24セーブ、防御率0・69。ほぼ完ぺきな数字が示すように今では野村楽天の絶対的な守護神としてフル回転している。これまで潜在能力を高く評価されてきた未完の大器が開花した。

 過去にも何度かチャンスはあった。最近では楽天移籍初年の05年。圧倒的な球威で当時の首脳陣からセットアッパー、クローザーとして期待されていた。だがシーズンで結果を残すことはできず、その年は30試合に登板し、1勝2敗、防御率4・50に終わった。昨年も22試合に登板し、0勝2敗、防御率8・56。移籍3年目、プロ11年目の今季は結果を求められる背水のシーズンでもあった。

 「今のポジションをつかめるように、頑張りたいですね」。ようやくチャンスをモノにしただけに、小山におごりや過信はない。小山と同期入団(ドラフト2位)の森野はプロ10年目の昨年、三塁のレギュラーを獲得。今季は投手と捕手以外の7ポジションを守る万能ぶりを発揮しつつ、打っては5番打者として打率2割8分7厘、14本塁打、84打点と自己記録を塗り替える活躍を見せている。

 中日在籍時には、当時ドジャースの絶対的クローザーだったガニエ(現レッドソックス)に憧れ、サングラスなど、そのスタイルを真似ていたこともあった。だが、もうそんな必要はなくなっているだろう。少し遠回りして本格化したが、これからが本当の勝負。来年以降の交流戦、日本シリーズでパ・リーグを代表するクローザーに成長した小山が、古巣と真剣勝負する姿を見てみたい。

(伊藤馨一)


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伊藤馨一(いとう・けいいち)
 岐阜県出身の34歳。97年オフから中日を担当。99、04、06年と3度の優勝を知っているのがささやかな自慢。自分の目で見て自分の耳で聞いたものをまず信用する。まず「観察」してからものを言うというのがモットー。
鈴木忠平(すずき・ただひら)
 00年に入社後、01年に中日を担当。その後アマチュア競技、ボクシングなどの担当を経て04年オフの落合政権誕生時から再び担当に。幼少時は大の西武ファンだった。埼玉県生まれ、29歳。
益田一弘(ますだ・かずひろ)
 広島県生まれの31歳。00年に入社して格闘技、相撲、サッカーを取材。「突撃取材」でボクシングの世界王者とスパーリングして3度ダウンした経験も。06年11月から中日担当。

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