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2007年7月13日

オレ竜の鉄人・井端誕生の瞬間

 継続は力なり。言うや易く行うは難しという典型的な言葉だろう。1日のヤクルト戦(秋田)でそんな記録が1つ達成された。中日井端が500試合連続出場を達成した。中日では809試合連続出場の球団記録を持つ江藤慎一以来、2人目の記録だった。故障はもちろん、極度の不振などがあっても達成不可能。記念の花束など、派手な祝福はなかったが、プロ野球選手として誇れる記録だ。

 04年4月から続く記録。これまで何度も危機はあった。直近では5月13日の巨人戦。9回の攻撃で二ゴロに倒れた後に左ひざを抱えて倒れ込んだ。試合後は関係者に背負われるなど、重症ムードが漂った。だが、次戦となる15日のヤクルト戦に先発出場してヒーローになった。「井端はこっちが心配になるくらいに(出場に)執念を燃やしているね」。ある関係者はあきれたようにこう話した。

 そんな「執念」について井端はこう話す。「苦労してつかんだレギュラーですからね。そんな簡単に休むなんてできないですよ」。97年ドラフト5位入団。1位は川上だった。左ひざ手術歴などがあった小柄な大卒野手への期待はそれほど大きいとはいえなかった。1年目の9月に1軍昇格を果たしたが、リーグ優勝した2年目の99年は1軍出場ゼロ…。そうして迎えた00年が最初の転機だった。

 「あの年はダメなら辞めるくらいの覚悟で、壊れてもいいからやってやろうと思っていました」と井端は振り返る。シーズン後半に遊撃に定着。規定打席不足ながら92試合に出場し打率3割6厘をマーク。プロ野球選手としての礎を築いた年のオフに、当時の星野監督にこう言われたという。「(試合に)全部出て初めてレギュラーだ」。その言葉を胸に、井端は翌01年には全試合出場を果たした。

 試合に出場する厳しさを知り、レギュラーを不動のものにした井端だが02、03年は故障などで全試合出場することはできなかった。そうして迎えた03年の秋に第2の転機が訪れる。落合監督が就任して初めての秋季キャンプ。志願参加の井端に落合監督はこう話したという。「骨が折れたりしない限り使うから」。わずか数秒のやり取りだったが、心に響いた。オレ竜が誇る鉄人誕生の瞬間だった。

 もちろん、コンディションには細心の注意を払っている。「何をしないといけないかは分かっています」とケアの方法論も確立している。だが、それ以上に大きいのは自分の置かれている立場を受け入れ、向上心を持ち続けてきたことだろう。心技体のども欠かせないが、あえていえば心の部分が大きかったと思う。井端は次の目標を「1000試合です」と話す。11日現在507試合連続出場中。単純計算で2010年にこの言葉が実現する。

(伊藤馨一)


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伊藤馨一(いとう・けいいち)
 岐阜県出身の34歳。97年オフから中日を担当。99、04、06年と3度の優勝を知っているのがささやかな自慢。自分の目で見て自分の耳で聞いたものをまず信用する。まず「観察」してからものを言うというのがモットー。
鈴木忠平(すずき・ただひら)
 00年に入社後、01年に中日を担当。その後アマチュア競技、ボクシングなどの担当を経て04年オフの落合政権誕生時から再び担当に。幼少時は大の西武ファンだった。埼玉県生まれ、29歳。
益田一弘(ますだ・かずひろ)
 広島県生まれの31歳。00年に入社して格闘技、相撲、サッカーを取材。「突撃取材」でボクシングの世界王者とスパーリングして3度ダウンした経験も。06年11月から中日担当。

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