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2006年11月01日

森本&田中賢の日ハムコンビ、実は…

 複雑な気持ちでグラウンドを見ていた。日本ハムに1勝4敗で敗れ、52年ぶりの日本一を逃した日本シリーズ。1番の森本が出塁して、2番の田中賢がバントで送る。そんな攻撃でチームを波に乗せた2人にやられたシリーズでもあった。それだけならこんな気持ちにはならなかっただろう。こんな気持ちになったのには理由があった。実はこの2人、中日とはちょっとした「縁」があったのだ。

 あれは2年前。04年のオフだった。当時、落合中日は野口をトレード要員として公表。目玉としてトレードを画策していた。99年のMVPなど抜群の実績を誇る左腕は当時30歳。年齢的な衰えはなく、先発左腕を求めるパ・リーグ球団からはこぞって申し込みがあったという。その中には日本ハムも含まれていた。その交換要員候補の中に森本、田中賢の名前も入っていたことを覚えている。

 当時、2人は期待の若手選手ではあったが、1軍と2軍を行ったり来たりする「エレベーター選手」。それだけに、出血覚悟の日本ハム側としても絶対に出せない選手ではなかった。交渉はまとまらず、話は流れた。球団関係者は、ため息交じりにこう話す。「今となっては、もう無理だね。あの2人は、欲しかったなあ…」。現状の若手野手の伸び悩みを見れば、そんな言葉も当然だった。

 あれから2年。森本は新庄の後継者として全国区の人気者となり、田中賢は今年、規定打席に到達して3割をマークした。イキのいい若手の存在がチームを活性化していた。放出した選手に活躍され、獲得した選手が活躍できないなどトレードには「明」と「暗」がくっきりと出る場合が多いが…。ちなみに田中賢は99年のドラフトでも競合の末にクジを外していた。逃した魚は大きかった。

(伊藤馨一)


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伊藤馨一(いとう・けいいち)
 岐阜県出身の34歳。97年オフから中日を担当。99、04、06年と3度の優勝を知っているのがささやかな自慢。自分の目で見て自分の耳で聞いたものをまず信用する。まず「観察」してからものを言うというのがモットー。
鈴木忠平(すずき・ただひら)
 00年に入社後、01年に中日を担当。その後アマチュア競技、ボクシングなどの担当を経て04年オフの落合政権誕生時から再び担当に。幼少時は大の西武ファンだった。埼玉県生まれ、29歳。
益田一弘(ますだ・かずひろ)
 広島県生まれの31歳。00年に入社して格闘技、相撲、サッカーを取材。「突撃取材」でボクシングの世界王者とスパーリングして3度ダウンした経験も。06年11月から中日担当。

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