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◆ふくださん 福田豊(ふくだ・ゆたか)。85年日刊スポーツ新聞社入社。野球記者を11年。巨人、西武、日本ハム、アマ野球、連盟などを担当。野球デスクを7年勤めた後、2年間の北海道日刊スポーツ出向などを経て、現在は毎朝6時半出社で「ニッカンスポーツ・コム」の編集を担当。取材で世話になった伝説のスカウト、木庭教(きにわ・さとし)さん(故人)を野球の師と仰ぐ。好きなスタジアムは甲子園と、雄大な富士山を正面に拝める山梨・北麓球場。@fukudasunのアカウントでツイート中。

高校野球の日程について考えた

14年07月07日 [17時43分]

 関東地方でも高校野球の地方大会が始まった。東京では5日に神宮球場で東西合同の開会式が行われ、午後4時過ぎから開幕戦、日大二-八王子北(西東京)も行われた。今回は高校野球の日程について考えてみたい。

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 先月末、東京都高野連から1通のメールが報道各社に届いた。すでに発表された組み合わせ(日程)に一部修正箇所があるという。

 「先般、発表させていただきました東東京大会のやぐらに1カ所ミスが見つかりました。この日程を組むに当たり、連戦を回避するという一つのコンセプトの下、やぐらを組みましたが、やぐら番号74~77の3回戦・4回戦が連戦となってしまいました。当連盟の完全な確認ミスであります。当該校にはお詫びをして、またこの変更による該当校にもご了解を得て、変更いたすことにいたしました」

 このメールの中で気になったのが「連戦を回避するという一つのコンセプトの下」という部分だ。

 修正された東西東京大会の日程をあらためて見た。確かに連戦になるチームはない。例えば5日の開幕戦に勝った日大二の日程はこうなっている(降雨順延などがない場合)。
◇1回戦=5日
◇2回戦=11日
◇3回戦=14日
◇4回戦=16日
◇5回戦=19日
◇準々決勝=22日
◇準決勝=26日
◇決勝=28日

 3回戦と4回戦、準決勝と決勝こそ中1日だが、それ以外は中2日以上間隔が空いている。

 せっかく開幕戦を見に神宮球場に出掛けたので高野連の担当者に話を聞いてみた。応対してくれたのは武井克時専務理事。

 「10年ほど前から意識して連戦を作らない日程を心掛けています。夏の大会は気象条件が厳しく選手のコンディションを考慮する必要があります。中にはエース一枚で勝ち抜いてくるチームもありますし、選手の将来を考えて日程を作っています。球児に優しい高野連を目指しています」

 東京の場合、準々決勝以降は東西とも神宮で行う。そのため東西交互に試合をすることで連戦が自然に避けられるという事情もある。それでも、100校以上が参加する大規模な大会で連戦を作らない日程は評価できる。あっぱれである。

 ちなみに昨夏、東東京で優勝した修徳はノーシード。シード校なら3回戦が初戦となるが、修徳は1回戦から登場し実に8試合を勝ち抜いた。もちろん連戦は1度もなかった(7月8日→10日→15日→17日→19日→21日→25日→27日)。

 他の地区はどうか。

 190校が参加する激戦区・神奈川。1、2、3回戦までは連戦はない。それでも4、5回戦が連戦となるチームが8チーム出てくる(反対側のゾーンは中1日)。そして準決勝、決勝は連戦となる。

 170校参加の千葉。こちらは5回戦と準々決勝がすべて連戦。準々決勝と準決勝は中1日空くが、準決勝と決勝はやはり連戦になる。11日開幕で決勝戦は26日。15日の2回戦から登場するチームは12日間で7試合を戦わねばならない。16強の激突となる5回戦は22日。そこから5日間で4試合を勝ち抜かないと甲子園にはたどり着けない(ちなみに神奈川は7日間で4試合、東京は9~10日間で4試合)。

 調べてみるとほとんどの地区で準決勝、決勝が連戦。結局、1度も連戦がない地区は東西東京のほか長崎と熊本だけだった(調査漏れがあったら指摘ください)。

 夏の大会は過酷である。昨夏、甲子園に取材に行った際、ある県の理事長さんと話をする機会があった。その県の代表は強豪だったがまさかの初戦敗退。エースが本調子でなく終盤、熱中症からか足が吊った。

 「夏の大会は消耗戦なんです。とにかく暑さとの戦い。技術よりも体力、いかにいいコンディションで試合をさせてあげられるかに尽きます。特にピッチャーの体調には細心の注意が必要ですね」

 甲子園大会でも昨夏から準々決勝4試合を1日で行い、1日の休養日を挟んで準決勝、決勝という日程とした。選手や指導者にはおおむね好評だったようだが、それでも3回戦と準々決勝が連戦となるチームは、決勝までの5日間で4試合を戦わねばならない。

 5日の神宮球場は夏の大会とは思えないさわやかな風が吹いていた。しかも試合開始は午後4時過ぎ。プレーする選手も、スタンドで応援するファンにも絶好の野球日和だった。高校野球に汗と涙はつきものだが、少しでも良いコンディションで悔いのない戦いをしてほしいものだ。

 これからが夏本番。球児たちの健闘を祈りたい。

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