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2011年1月31日

折り目正しい4番打者:酒井俊作

 沖縄に入って、何日かたったときだった。グラウンドを歩いていると「チャック、開いてるよ」と指摘された。まず自分の股間を見やる。そして、声の先へ。栗原だった。名誉のために言うが、チャックは開いていない。生地がよれてしまって、隠れているはずのファスナーが見えていたから、そう映ったのだ。

 続けて言う。「ちゃんと服、たたんでいます? 僕はきっちりたたむし、服を置く順番もキッチリしないとダメなんです」。鋭い眼力、屈強な肉体からは豪放磊落(らいらく)な雰囲気を漂わせるが、実はとても細やかな人だ。沖縄に入ってからの打撃。マシンを打ち込むナインを横目に屋内練習場にこもり、ひたすらスローボールを打った。

 トップ位置の作り方、バットを出す角度…。チェック項目は多いが、その一方で打撃マシンに球を入れるアルバイト男性にもリクエストする。「縫い目の方向は全部一緒にして、1球ずつ入れてください」。そう言って、球を押し出す配球口に1球ずつ置くよう指示を出す。筒状の挿入口に一度に球を入れれば、自動的にどんどん球が出てくる。なぜ1球ずつ置き、手間をかけるのか。

 「昨年、ケガ(右手首骨折)したときにずっと遅い球を打っていたんですが、球の軌道がなぜか一定しなかった。集中力も保てなくなってしまうんです」

 遅い球を打つことで、打撃フォームを細部にわたってチェックする。繰り出される球が一定した軌道でなければ、打つことに没頭できない-。原因を考えた。行き着いた結論が『球の縫い目』だった。打撃マシンから球が押し出される時、縫い目のわずかな凹凸で力の伝わり方も変わる。縫い目を一定にすれば、安定した弧を描くようになった。主砲は取るに足らないようなことにこだわり、細心の注意を払っていたのだ。

 最近2年間は不本意な成績だっただけに、今季にかける思いも強い。沖縄合同自主トレへの参加は06年以来、5年ぶり。「例年の1月にしては、という感じです」。折り目正しい4番打者の仕上がりは上々だ。それぞれの思いがこもった2月1日。いざ球春! ビシッとふんどしを締めて、2011年の船出だ。(酒井俊作)


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カープ担当記者日記
酒井俊作(さかい・しゅんさく)
 03年入社後は6シーズンの阪神担当を経て、08年11月から広島担当。1人旅と焼酎を愛してやまない。カープが優勝した1979年に鹿児島県で生まれ、京都府育ち。
高垣誠(たかがき・まこと)
 1963年、兵庫県生まれ。89年の入社から様々な部署を異動。もらった辞令の数は社内一と自負するおめでたい人。プロ野球ではかつて中日、オリックスを担当。15年ぶりのプロ野球担当、広島単身赴任も慣れてきた46歳。

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