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2010年12月08日

新たな舞台へ!鞘師スカウト:酒井俊作

 先日、取材で訪れた東京・大手町のイチョウ並木はまだ緑色が残っていたというのに、めっきり冷え込みが厳しくなった。師走である。プロ野球界では、もっとも人の往来が激しい季節でもある。戦力外、引退、そして新人…。今季限りでユニホームを脱いだ鞘師智也はシルバーのスーツをスマートに着こなしていた。

 広島スカウトに転身し、来年1月からは近畿地区を担当する。バットを名刺に持ちかえるが「いままでは名刺をいただくだけだったけど、渡すほうになりましたからね。まだ慣れなくて戸惑いはあります」と苦笑いを浮かべる。02年ドラフト4巡目で東海大から入団。昨季は2年ぶりに1軍昇格し、二塁打を2本放つなど存在感を示したが、今年は1軍でプレーできず、厳しい現実に直面した。

 大野練習場で黙々と練習していたのが印象的だ。その姿はネクタイを締めるいまも変わらない。新たな職場が決まり、スカウト業に関する本を読み込んだという。「選手の『伸びしろ』を勉強しないといけない。巨人の坂本選手が最初はそれほど評価が高くなかったのに活躍しています。それほど伸びたのはなぜか」。坂本勇人は06年高校生ドラフト1巡目で巨人入り。それでも、楽天入りした田中らに隠れて、それほど目立っていなかった。素質の高さをいかに見抜くか。スカウトにとって永遠の課題だが、鞘師も解答を探る。

 心に刻んだ言葉がある。オフに入り、東海大OBが一堂に会する会合が催された。そこに出席したときのことだ。大先輩に駆け寄って、次々とスカウト転身のあいさつをする。「小さくなるな! 堂々としていろ!」。そう声を掛けてきたのは、巨人の原辰徳監督だった。人を見極め、人を集め、人と泣き、人と笑う。脈々たる人材を築き上げる生命線こそスカウトだ。華々しいスポットライトを浴びるのはかなわなくとも、球団にとって欠かせない業務なのだと、名将の短いフレーズから伝わってくる。

 1度はグラウンドから去った人が、新たな人を迎え入れる。「自分の担当した選手が活躍してくれればうれしいですから」。ここが新たな舞台。鞘師スカウトは、はるか遠くに視線をやった。(敬称略)


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カープ担当記者日記
酒井俊作(さかい・しゅんさく)
 03年入社後は6シーズンの阪神担当を経て、08年11月から広島担当。1人旅と焼酎を愛してやまない。カープが優勝した1979年に鹿児島県で生まれ、京都府育ち。
高垣誠(たかがき・まこと)
 1963年、兵庫県生まれ。89年の入社から様々な部署を異動。もらった辞令の数は社内一と自負するおめでたい人。プロ野球ではかつて中日、オリックスを担当。15年ぶりのプロ野球担当、広島単身赴任も慣れてきた46歳。

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