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2010年9月08日

ビッグチャンスをつかむ精神力:酒井俊作

 最近「自分がもし木村昇吾だったら…」とよく考える。いや、何もグラウンドで走るわけでも、打席に立つわけでもない。サラリーマンとしての僕自身に置きかえてしまうのだ。例えば大きなプロジェクトに携わるメンバーの一員に組み込まれたとする。だが、メーンではなく、あくまでサポートする役回りだ。そんなとき、敏腕のメーンメンバーに予期せぬアクシデントが起こり、代役で抜てきされた場合、メーン氏と同じく精度の高い仕事をこなせるだろうかと自問する。

 前置きが長くなったが、こんな状況で輝きを放っているのが木村なのだ。8月下旬。正二塁手の東出輝裕が右ひじを痛め、手術する事態に見舞われた。不動の主力に代わって木村がスタメンで起用されると、機敏なプレーを重ねる。先発初戦の8月21日横浜戦(マツダ)で2安打をマークして猛アピール。08年以来のスタメンで鮮やかな結果を残した。9月に入っても好調の背番号66は言う。

 「このチャンスを逃したら僕の野球人生にはもうチャンスが来ない。それくらいに考えてやっています」

 千載一遇のビッグチャンスをつかみ、自己最高の成績を残す。巡ってきた機会を生かしきるのは簡単なことではない。なぜ、いきなり活躍できるのか。それは「一途に想う力」を、いつまでも持続できるからだろう。1、2軍を行き来する境遇でも頑固さを貫いてきた。2軍のロッカールーム。木村のブースには、いつもわずかな荷物しか置かれていない。「いつ呼ばれてもいいように…。僕が野球をするのはここじゃない!」。守備固め、代走要員であっても愚直になり、ひたむきになり、いまがある。

 野球界だけでなく、いまの一般社会も分業制になっていて、役割分担といった言葉で、なにかと境界線が引かれている。「ここからはオレの仕事」って。あるいは「これは関係ないや」って。それは、ある意味、自分で自分を狭い範囲にくくっているとも思う。そうではなくて「自分に線を引かない作業」もまた、大切なのだと木村のプレーを見ていて感じる。


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カープ担当記者日記
酒井俊作(さかい・しゅんさく)
 03年入社後は6シーズンの阪神担当を経て、08年11月から広島担当。1人旅と焼酎を愛してやまない。カープが優勝した1979年に鹿児島県で生まれ、京都府育ち。
高垣誠(たかがき・まこと)
 1963年、兵庫県生まれ。89年の入社から様々な部署を異動。もらった辞令の数は社内一と自負するおめでたい人。プロ野球ではかつて中日、オリックスを担当。15年ぶりのプロ野球担当、広島単身赴任も慣れてきた46歳。

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