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2009年11月05日

ドラフトはいつもドラマチック:高垣誠

 実に久々にドラフト会議を取材した。品川駅前から石榴坂を上っていくと、会場のグランドプリンス新高輪ホテルに着く。1994年にオリックスを担当していたとき以来と思うが、各球団が打合せをする部屋やメーンの会場など、歩き回っているうちに当時の記憶がよみがえり、懐かしい気分に浸った。

 当時と違っていたのは、会場内にファンの観覧席が1000席設けられていたことだ。新たなチャレンジがどう受け取られるのかも興味深いところだ。

 担当記者としては、広島が1位で今村を単独指名できるのかにまず注目。担当の田村スカウトは熱心に今村のことを追いかけていた。歩いて一緒に会場に向かいながら、同スカウトは「(今村の)ボールはすごいものがありますよ。単独でいけるかな…いきたいですね」とソフトバンクとの競合の可能性があっただけに気をもんでいた。それだけ今村という選手の能力に惚れ込み、どうしても獲りたいのだという気持ちがよく分かった。

 結果はソフトバンクが今村ではなく今宮を指名したことで、広島は狙い通り今村の単独指名に成功した。田村スカウトは、ソフトバンクの指名選手名が「いま…」と出て「みや」と呼ばれた瞬間にガッツポーズをしたらしい。

 広島は2位で堂林も指名した。プレスルームで、他社の担当記者と指名を待ちながら「2位で堂林も獲れたら甲子園の春夏のV腕両獲りだなあ」と話していたら、本当にそうなった。3位以下でも理想的な指名ができて、松田オーナーも野村監督も会議後は満面の笑みだった。同オーナーは、昨年岩本を単独指名した前夜に食事した同じ店で食事を取り、ドラフト当日は野村監督が出陣前に円陣を組もうとしたが「変わったことはしないほうがいい」と、ゲンをかついだ。

 12球団の思惑と駆け引きが入り交じったドラフト会議。各スカウトの悲喜も凝集されたプロ野球界の一大イベントは、15年経っても変わらず、やっぱりドラマチックだった。


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カープ担当記者日記
酒井俊作(さかい・しゅんさく)
 03年入社後は6シーズンの阪神担当を経て、08年11月から広島担当。1人旅と焼酎を愛してやまない。カープが優勝した1979年に鹿児島県で生まれ、京都府育ち。
高垣誠(たかがき・まこと)
 1963年、兵庫県生まれ。89年の入社から様々な部署を異動。もらった辞令の数は社内一と自負するおめでたい人。プロ野球ではかつて中日、オリックスを担当。15年ぶりのプロ野球担当、広島単身赴任も慣れてきた46歳。

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