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2009年8月17日

8月6日の誓い:酒井俊作

 広島に赴任して、初めての夏が来た。先日、流川の和食屋にいたとき、誰ともなく、8月6日の話題になった。「広島では小学生はみんな折り鶴を折れるんだよ。平和学習でビデオを見たりもするからね」。64年がたった。その日は、北海道遠征から戻り、マツダスタジアムの内野自由席にいた。蒸し暑い夜。約2000個のキャンドルが、長い光の帯を作っていた。

 『8・6 ピースラインメッセージ』を企画した広島市立大学の塩水賢太郎さん(21)は「去年、広島市民球場のドキュメンタリー映画を作って、広島の復興のシンボルだと知ったんです。マツダスタジアムに移っても象徴であること、この場所にもつなげることが大切だと思いました」と説明した。映画『Home~大学生が見つめた広島市民球場~』は、広島市民球場の歴史を追ったもので、建設に携わった関係者、グラウンドキーパー、アナウンス係などへのインタビューで綴られている。「栃木出身なのですが…」と話す塩水さんもまた、広島の地で住むうちに平和への思いを強くした。

 キャンドルに火をともしたカープのルーキー岩本も言う。「忘れてはいけないこと。次の世代に伝えていかないといけないし、こういうことは二度とあってはいけない。平和のなか、環境も整っているなかで野球をできて感謝しないといけない」。広島出身で、小学生のころから市民球場を訪れた。中学生のころは、隣り合う平和記念資料館にも足を運んだ。「資料館に行けば、一番よく分かると思います。8月6日は、特別な日です」。亜大進学のため、東京に引っ越しても黙とうは欠かさなかった。

 取材を終え、元安川を通ると「とうろう流し」が催されていた。ほんのり灯もるとうろうが川面に映る。ゆるやかに漂い、移ろい、海ではなく、山のほうへと流れていった。


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カープ担当記者日記
酒井俊作(さかい・しゅんさく)
 03年入社後は6シーズンの阪神担当を経て、08年11月から広島担当。1人旅と焼酎を愛してやまない。カープが優勝した1979年に鹿児島県で生まれ、京都府育ち。
高垣誠(たかがき・まこと)
 1963年、兵庫県生まれ。89年の入社から様々な部署を異動。もらった辞令の数は社内一と自負するおめでたい人。プロ野球ではかつて中日、オリックスを担当。15年ぶりのプロ野球担当、広島単身赴任も慣れてきた46歳。

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