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2009年7月07日

ロマンが詰まったもう1つの新球場:酒井俊作

 信濃川、コシヒカリ、直江兼続…。いま、4年ぶりに新潟を訪れている。名物へぎそばは、きんぴらごぼうも薬味に使うことを初めて知った。地方遠征取材では、郷土の香りに触れるのも醍醐味の1つだが、何と言っても新球場のハードオフ新潟(正式名称 HARD・OFF ECOスタジアム新潟)に注目したい。

 7月に誕生したばかりで7日の広島-阪神戦が、こけら落としの1戦になる。球場を管理するアルビレックス新潟・都市緑花センターグループの田中和志野球場公園事務所次長は言う。「球場の記念になるものを集めていかないといけないのですが、今は新潟で試合をしっかり行うことしか考えられないです」。カープの新本拠地マツダスタジアムが広島県民の「夢の器」であるのと同じように、内外野人工芝のハードオフ新潟もまた、北国の誇りだ。

 いまから4年前。05年12月、阪神担当時に中越大震災の被災地を訪れた今岡に同行取材したときだ。雪が降りしきるなか、地元の関係者が「この体育館も屋根が抜けてしまったんです。まだ仮設住宅に入っている人も多くいます」と話していたのを思い出した。ハードオフ新潟もまた、04年に発生した地震の復興事業を最優先させるため、建設が凍結された経緯もある。構想から19年をへて、ようやく完成した球場だった。

 7月5日には広島のグラウンドキーパーが訪れ、グラウンドを最終チェックした。柔らかいマウンドには広島から運び込んだ土を入れて入念に整備。あとはプレーボールを待つだけだ。松田元(はじめ)オーナーは口癖のように「魔法瓶を持って、弁当を持って、野球を見に行ったもんや。あれが原風景。興行の原点だよ」と話す。ロマンが詰まった新球場が幕を開ける。

 田中次長は「ライトの下には展示室も作られています。新潟出身の野球選手も多いですから。小林幹英コーチ、今井雄太郎さん、関本四十四さん…。これから歴史をつくっていかないといけないです」と続ける。新球場元年のカープを追いかけ、新潟の真新しいスタジアムで取材するのも何かの縁だ。「もう1つの新球場」を応援したくなった。


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カープ担当記者日記
酒井俊作(さかい・しゅんさく)
 03年入社後は6シーズンの阪神担当を経て、08年11月から広島担当。1人旅と焼酎を愛してやまない。カープが優勝した1979年に鹿児島県で生まれ、京都府育ち。
高垣誠(たかがき・まこと)
 1963年、兵庫県生まれ。89年の入社から様々な部署を異動。もらった辞令の数は社内一と自負するおめでたい人。プロ野球ではかつて中日、オリックスを担当。15年ぶりのプロ野球担当、広島単身赴任も慣れてきた46歳。

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