2009年5月25日
永川139S球団記録更新:酒井俊作
サラリとした立ち居振る舞いが、すがすがしかった。24日の西武戦。マツダスタジアムで今季12セーブ目を挙げた永川勝浩は、一塁側ベンチ前でプロ初勝利を挙げた小松に白球を手渡した。自身も、大野豊氏が持つ通算セーブ数を抜いて、139セーブとなり、球団新記録を樹立した記念日だった。それでも、ウイニングボールに執着することなく、後輩の門出を祝った。
「まだまだこれから。数字的には一番ですが。ただこれからも、負けないよう投げていきたいです。チームに迷惑をかけないよう頑張っていきたいですね」
プロ7年目での金字塔だった。自身が「僕はリリーフ専門ですから」と評するように生粋の救援投手だ。守護神としての「ルーツ」は、すでに亜大時代にあった。春や夏のキャンプ。ここで、臨時コーチとして招かれた同校OBの山本和行氏(現野球評論家)から手ほどきを受けていた。阪神で2度、最優秀救援投手賞に輝き、同球団最多記録の通算130セーブを積み上げた名ストッパーだ。阪神で一代を築いた野球哲学もまた、永川の成長を後押ししたのは間違いない。
当時の監督だった内田俊雄氏(現拓大監督)も「無名校出身で、入学したときは『どうかなあ、モノになるかなあ』という程度だった。最初は故障が多くて。ただ、うちに秘めた強さはありました。(山本氏は)投手としての考え方を選手に話したりしていました。いい参考になったでしょうね」と振り返る。同い年にはフォークを武器とする木佐貫(現巨人)もいた。永川自身もまた、落ちる球で立身出世した。人との出会いが、リリーフエースのバックグラウンドにある。
昨年の暮れ。永川は亜大時代のチームメートの結婚式で内田氏と会った。同氏は振り返る。「隣り合って話しをしてね。自信満々の雰囲気を感じました。広島に拾ってもらって、ありがたかったですね。いい球団に入れて良かった。こんなに長く活躍できるとは思っていなかったですから」。歳月を経て、区切りの記録に達したが、あくまで通過点。山の頂は、はるか遠くにある。286セーブの高津を筆頭に、佐々木、小林雅、岩瀬、江夏…。まだ28歳の永川が、どこまで迫れるか注目だ。
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