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2009年5月21日

大打者・石井の大きな思い:高垣誠

 ベテランの力というのは、チームが低迷しているときこそ必要とされるのかも知れない。広島打線は開幕から依然として貧打に苦しんでいるが、交流戦直前の5月18日、マツダスタジアムでの練習で石井がバッティングピッチャーを志願した。自分の打撃練習はそっちのけで1時間近く、元投手らしくスピードの乗ったボールを投げ続けた。その後は栗原に打撃についてアドバイスを送った。

 本人は「そういう気分だったから」と冗談めかしたが、実は「チームをなんとかしたい」という気持ちの表れだった。「広島は若い選手が多いから、自信をもってやって欲しいんです」という。

 2000本安打も達成している石井は、これまで何度も修羅場をくぐってきた。そのうえ昨季は、横浜に戦力外通告され、広島へ移籍してきた。「僕はあらゆるものを捨てて広島へ来ているし、守るものもない。でも若い選手は試合の中で結果や実績を残さないと受け身になってしまうことがありますからね」という。

 記者は、石井はよく打撃投手や助言をしたと思う。チームには担当コーチもおり、出しゃばる形になるのは石井の本意ではないからだ。横浜時代も若手に聞かれればアドバイスは送っていたというが、広島には移籍してきたばかりで、気を遣う部分もあったはず。それでも行動を起こさずにいられなかったのは、広島というチームに可能性を感じているからだろう。「今はワンランク上へ行くためにもがいていると思う。これを乗り越えれば」と石井はいう。

 試合に出られなくても、チームに貢献できればいい。石井のこの姿勢が、後々チームに効いてくるのではないかと記者は思っている。


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カープ担当記者日記
酒井俊作(さかい・しゅんさく)
 03年入社後は6シーズンの阪神担当を経て、08年11月から広島担当。1人旅と焼酎を愛してやまない。カープが優勝した1979年に鹿児島県で生まれ、京都府育ち。
高垣誠(たかがき・まこと)
 1963年、兵庫県生まれ。89年の入社から様々な部署を異動。もらった辞令の数は社内一と自負するおめでたい人。プロ野球ではかつて中日、オリックスを担当。15年ぶりのプロ野球担当、広島単身赴任も慣れてきた46歳。

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