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2008年9月08日

カープのサイトウユウキもヒーローに:網孝広

 斉藤悠葵が1軍に帰って来た。今季初登録は8月30日。その日、登録即先発となった中日戦(ナゴヤドーム)で5回2安打無失点の快投。699日ぶりのプロ2勝目を挙げ、ヒーローインタビューも受けた。130キロ台の速球とスライダーを軸に攻めの姿勢を貫く投球は見ていて小気味がいい。ルーキー篠田とともに先発陣の救世主になりそうな気配だ。

 斉藤と言えばルーキーイヤーの06年10月1日、プロ初登板初先発の巨人戦で初勝利を飾る快挙をやってのけた。斉藤はその年、2試合に先発し1勝0敗。期待の左腕として2年目を迎えた。

 プロ2年目の昨年は不本意なシーズンだった。1軍初登板を果たしたのは10月4日。ナゴヤドームの中日戦で9番手で登板しサヨナラで負け投手になった。結局2試合で0勝1敗。防御率5・40という成績に終わった。

 その昨年の2試合目の話をしたい。07年10月6日は佐々岡真司の引退試合だった。広島市民球場は2万9776人の大観衆で真っ赤に染まった。先発は大竹。ファンは佐々岡の登場を今か今かと待っていた。そして8回、交代のアナウンスが-。固唾をのんで「ピッチャー佐々岡」のコールを待つスタンド。そこで斉藤がマウンドに上がったわけだ。

 信じられないことにブーイングが起こった。「お前誰や-」という声が飛んだ。斉藤は1イニングを無安打無失点。9回から横山が登板し、最後は佐々岡が締めた。それが斉藤の昨シーズンだった。

 迎えた3年目、キャンプは1軍スタートだったがフォームが固まらず、開幕を2軍で迎えた。左ひじを痛め3カ月実戦から遠ざかった。2軍の復帰登板は7月6日。そこからコツコツ成績を積み上げ、ようやく昇格。今季初登板初勝利を成し遂げた。

 斉藤は6日の阪神戦にも先発。序盤に失点したが立ち直り5回1/3を投げ3失点。勝ち負けはつかなかったが、試合を作り先発として責任を果たした。この日の観衆は2万9343人。3回無死一、二塁の場面で金本から見逃し三振を奪った場面では大歓声が起こった。

 「お前誰や」から「ヒーローインタビュー」へ。斉藤の置かれている環境は昨年とは違う。「佐々岡さんの引退試合の時のヤジ? あれはしょうがないですよ」と笑って振り返られるようにもなった。チームは3位争いのまっただ中。歓声を起こす投球を続けて欲しい。


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カープ担当記者日記
網孝広(あみ・たかひろ)
 1972年、大阪府堺市生まれの35歳。入社後広告局に7年、編集局整理部(レイアウト部門)に3年半在籍。06年11月広島総局に赴任。34歳で初めて「新聞記者」になったオールドルーキー。Jリーグ、高校野球、高校サッカーなどの担当を経て07年9月よりカープ担当に。08年の予想順位はエールを込めて3位。まだまだ独身。
酒井俊作(さかい・しゅんさく)
 03年入社後は6シーズンの阪神担当を経て、08年11月から広島担当。1人旅と焼酎を愛してやまない。カープが優勝した1979年に鹿児島県で生まれ、京都府育ち。

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