2008年8月26日
小窪の打撃理論『点と線』:網孝広
新人小窪に元気が戻ってきた。一時は9試合連続無安打もあり打率は2割6分台となったが、2割8分6厘まで戻してきた。8月は47打数14安打で2割9分7厘。母の葬儀のため帰国していたブラウン監督の復帰戦となった25日の横浜戦では、2回に桑原謙の内角145キロを詰まりながらも左前へ運ぶ先制打。「普通に打ったらヒットになっていない。気持ちですよ」。調子が悪ければ凡退しているのだろう。自然とコメントも滑らかになる。
小窪は自分の打撃理論を『点と線』という言葉を使って表現する。曰く「ヒットがでなくなった時期は、自分のポイントばかり意識していた」。これが『点』を意味する。対して『線』は「幅広い範囲に対応すること」を指すらしい。
「そこにこないと打てない。これが点です」と小窪は言う。「線なら、いろんなところに対応できる。それならあてただけでヒットとかがある」。
ベンチから栗原や東出、アレックスのバッティングを見ていて「全部が全部、いいあたりではない」と感じるという。崩されても、ちょこんとあてて右前打-。こういう打撃は「線」でないと出来ないのだそうだ。
『点と線』と言えば、松本清張の代表作だ。福岡で心中事件が起きて、殺害時刻に容疑者が北海道にいて、アリバイは完ぺきで…。小窪がこの名作を読んだかどうかは定かではないが、『点と線』について彼は考えている。「点ではなくて線。意識よって変わるんです」。前述の詰まった左前適時打も「線」で捉えた一打なのだろう。6、7、8番、時には2番も打つ小窪。『点』から脱却した時、打『線』のキーマンになるような気がしてならない(数字はすべて25日現在)。
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