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2008年7月01日

考えながら「はじめの一歩」赤松:網 孝広

 北京五輪まであと1カ月あまりになった。6月上旬の競泳ジャパンオープンで、北島康介が200メートル平泳ぎで世界新をたたき出した。着用していた水着は英スピード社の「レーザー・レーサー」だった。この大会で同社の水着を着用した選手が続々と日本新を記録。日本水連と国内メーカーの契約問題が浮上したが、水連が五輪でも同社の水着着用を認めたことによって一応の決着はついた。

 メーカーの技術が生み出した道具が未知の「スピード」を生み出す。タイムを争う世界に生きる選手はどうにかして100分の1秒を縮めようとする。道具はそのひとつに過ぎない。陸上短距離なら歩幅、腕の振り、スタートダッシュ…。微に入り細を穿(うが)つ英知の結集。すべては「スピード」のためだ。

 野球は100分の1秒を争う戦いではないが、スピードは大きな武器になる。カープが初めて交流戦を勝ち越したのも、12球団1位の22盗塁を記録したことが要因のひとつだ。67試合消化時点でチーム盗塁数は44。すでに昨年1年間で記録した65個の7割近くに達している。チームトップは天谷の9盗塁だが、注目すべきは赤松だ。8回走って8回成功。成功率100%。ここまで51試合に出場し先発は35試合。そのうち27試合が「1番」だ。25得点はチーム4位。50メートル5秒6のスピードをフル活用している。

 赤松のリードの取り方は、他の選手と少し違う。一塁ベースから斜め後ろに下がる。普通に考えれば二塁への直線上にリードを取った方が距離的には近い。斜めに下る理由を「一歩後ろに下がることによって、スタートの一歩が真っ直ぐに出る」と説明する。より自然に二塁に向かって直線を走るために、最初の一歩を大切にする。一瞬でも早くスピードに乗るために、スムースに一歩目を踏み出さなければならない。赤松の英知が結集した「はじめの一歩」だ。

 「一歩下がれば、投手からはリードが大きく見える。二歩下がればもっと大きくみえる」。そのプレッシャーが相手投手にのしかかる。29日の巨人戦で、高橋尚は執拗(しつよう)にけん制球を投げ続けた。そのイライラが、リズムを乱し、一時は同点に追いついた。

 スピードは攻撃だけでなく、守備でも威力を発揮する。同じ試合で、0-1の6回2死一、二塁で阿部の打球を背走しながらジャンピングキャッチ。最大のピンチを救った。

 いかに俊足で勝利に貢献するか。赤松は考えている。攻守にみせる「はじめの一歩」。電光掲示板に表示されることのない100分の1秒。それがチームを加速させている。


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カープ担当記者日記
酒井俊作(さかい・しゅんさく)
 03年入社後は6シーズンの阪神担当を経て、08年11月から広島担当。1人旅と焼酎を愛してやまない。カープが優勝した1979年に鹿児島県で生まれ、京都府育ち。
高垣誠(たかがき・まこと)
 1963年、兵庫県生まれ。89年の入社から様々な部署を異動。もらった辞令の数は社内一と自負するおめでたい人。プロ野球ではかつて中日、オリックスを担当。15年ぶりのプロ野球担当、広島単身赴任も慣れてきた46歳。

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