2008年5月27日
選手を支えるコーチ陣の奮闘:柏原誠
プロ野球選手を支える人たちも当然ながらプロ。そのすごみを感じさせるシーンがあった。
先日の京セラドーム大阪の試合前練習。三塁側のファウルグラウンドで捕手陣が毎日恒例のフライを捕球する練習をしていた。ノッカーは植田バッテリーコーチ。天井に届きそうな高い飛球を、確実に頭上に打ち上げる技術は「球界屈指」と評されている。
ただ、いかにプロとはいえ人間だ。めずらしくミスを連発してしまった。するとフェンス越しに心ない観客からヤジが飛んだ。それを聞いた植田コーチが意地を発揮する。プライドをバットに込めてフルスイング。飛球はそれまでよりもずっと高く舞い上がり、石原のミットに収まった。
同コーチはノックの秘訣を「センス、センス」とごまかすが、コーチ就任後はかなりの練習をこなしたらしい。こちらもノックの技術に定評がある永田外野守備走塁コーチは「真上にあげるのが一番難しい。アイツはすごいよ」と舌を巻く。守備の上達にはノッカーの技量も大きく関係してくるから打つ方も必死だ。
永田コーチも苦労は多い。昨年、1軍のコーチになってから両肩のコリ、股関節の痛み、腰痛などと闘っている。広島市民球場の本塁ベース付近は水はけをよくするために傾斜があり、それが体にくるそうだ。
外野ノックにも「質」が求められる。良くないのは実戦では起こりえない打球を打つこと。たとえば、左翼で誰よりも多くノックを受ける前田智が両手を広げて“抗議”するシーンがよく見られる。永田コーチは「左翼線にスライスを打っちゃったりするとああやってアピールされちゃうんだよ」と頭をかいた。
思い通りのところに、実戦に近い打球を打てるのが上手なノッカーだそうだ。選手に負けじと、腕を磨いているコーチ陣の奮闘にも注目していきたい。
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