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2009年11月10日

「型」通りに運んでも誤算が……

野球の妙味・難しさ

 注目の日本シリーズは巨人が4勝2敗で北海道日本ハムを破り、7年ぶり21度目の日本一に輝いた。6試合ともほとんどが接戦、どちらが白星をもぎとっても、おかしくない熱戦だった。

 その、燃えたぎったシリーズを見て(すべて、テレビ観戦だが)、最も痛感したのは「必勝パターンに持ち込んでも負けることがある」という、ことだった。

 今シリーズ、ポイントになったのは、やはり2勝2敗で迎えた第5戦だ。日本ハムが先制し、先発・藤井の力投で終盤へ。8回、巨人は日本ハムの救援左腕・林らのミスにもつけ込み、1対1の同点に追いついた。

 だが、それも束の間、9回、日本ハムは4番・高橋が右中間にソロをたたき込み1点の勝ち越し。もうここは救援エース・武田久で逃げ切り……梨田監督ら首脳陣、選手、ファンも信じ切ったはずだが、その裏、亀井に同点弾、阿部にサヨナラホームランを浴びてしまった。

 日本ハムの守護神は今シーズン、55試合に登板して3勝0敗34セーブ。負けを経験していないうえに、被本塁打も60イニングでわずか1本。

 確かに打たれた2球とも甘いコースで、抜群の安定感ある投手には考えられないミス。直前に捕手が大野から鶴岡に代わったことを指摘する声もあったが、女房役が代わったぐらいで、乱調を招くほど、ヤワな投手でない。

 甘い球を見逃さなかった亀井、阿部を讃えるしかないが、決着がついた第6戦でも北海道に戻って、元気が出たはずなのに毎回安打を放ちながら、完封された(シリーズ史上初)。「つなぐ打線」もまた封印されたのは「型」を崩された連鎖と言えるかもしれない。

 現代野球では、投手陣の分業制はセオリーになっている。もちろん、先発陣の重要性は欠かせないが、中継ぎ→セットアッパー→抑えを強固にするのはチーム作りの基本の一つになっている。かつての阪神のJFKのように……。

 巨人も万全ではなかったが山口、越智、クルーンがそれなりに機能した。だからこそ……。

 決して武田久を責めているわけではない。彼がいなかったらパ・リーグ制覇はなかった、といえる功労者。そんな怪腕でも、時として崩れることがある、ことに野球の怖さを改めて思い知らされた。

 「盤石、完ぺきの型」は野球に、スポーツにないのだろうか……。


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浅岡真一「独断流」
浅岡真一(あさおか・しんいち)
 1950年3月24日、大阪生まれ。早大卒業後、74年、大阪日刊スポーツ新聞社に入社。4年近くの内勤を経て、78年から運動部記者に。近鉄を6年担当、その後、阪神担当に。85年のリーグ優勝、日本一を目のあたりにした。現場時代はその執拗な取材活動から「ゴキブリ記者」とも呼ばれた。89年から運動部、報道部デスク、運動部長などを歴任、その間もほぼ野球の世界で取材活動を続けてきた。編集委員、広島総局長、編集局次長、営業局長などを経て、04年8月から現場記者に復帰。趣味はスポーツ観戦、テレビのニュース、クイズ番組視聴。

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