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2009年5月20日

交流戦でもさらに「真弓色」を全面に!

タイガース浮上へ

 早いもので、プロ野球の開幕から1か月をはるかに過ぎ、風薫る時節。球場へ足を運ぶのにも、より快適になったようで、約1か月に及ぶ交流戦も行われています。

 さて、セ・パのペナントレース、序盤から中盤へというところで、パ・リーグは日本ハムが少し抜け出したもののまだまだ予断は許せず面白い状況。セはやはりというか戦力が充実している巨人が抜け出して、他チームがこれを追いかける展開だ。

 その巨人の「追撃の有力候補の一つは阪神じゃないか」と前回は記した。しかし5月に入ってからは、下降線。打線が低調なのが最大の要因で、藤川で逃げ切り-というパターンになかなか持ち込めない。

 真弓新監督もさぞかし頭が痛いところだろう。しかし、むしろこれからのさい配、作戦に“らしさ”が出るのでは…とも注目している。

 1953年生まれの55歳は男盛り。昨年末に第31代のトラの指揮官に就任して以来、その人となりはスポーツ各紙をはじめ、取りあげられてきた。私も25年余に及ぶ付き合い、その実像を多少はつかんでいるし、昨秋は本紙(関西版)で、その一端を紹介させてもらった。

 彼を評する一般的なイメージは「温和で明るく前向き」というようなものでしょう。85年、日本一に導いた吉田義男監督(現日刊スポーツ客員評論家)も、そんな印象を抱いておられる。

 先頃、吉田さんが上梓された「牛若丸の履歴書」(日経ビジネス文庫)という自叙伝ふうの書の中で「空気が読める男」と表現されている。今ふうの言葉を使って、実に適切ではあると思う。

 “恐怖の一番打者”としてチームの核になった全盛時。だが、掛布雅之という主砲がおり、一方で岡田(前監督)というスター候補も存在感があった。そんな中、彼らより年上の彼は、阪神の生え抜きではないということを考慮、常に控えめにフォア・ザ・チームに徹していた。

 指揮官の吉田氏からすれば、実に有り難い存在。不平不満は全く口にせず、派閥も作らず。まさに優等生そのもののイメージだった。しかし、私はあえて、胸の内にある激しい炎を強調したい。

 詳しい日時は忘れたが、汚いヤジに激昂、ネットによじ上がらんばかりに、そのファンに詰め寄ったことがあった。また稚拙な質問をする記者には、口も利かない一面もあった。

 そんな胸の内の信念の表れがメンチの処遇だろう。4月末に体調不良で二軍降格した新助っ人。ファームのゲームで好成績を残し15日に復帰した。真弓監督はすぐにヤクルト戦から先発で使ったが、2試合ノーヒット。ついに3連戦の最後にはスタメンから外した。

 ファンや評論家諸氏は4月の段階から桜井や林の登用すべき、と指摘した人もいたが、ある部分で頑固なヘビ年生まれは、周囲の声には左右されないタイプ。だから自らの決断で2戦とも結果を出せなかったメンチを、交流戦前に再び二軍に落とした。

 これは決して「空気を読んだ」のではない。真弓監督の真骨頂、我慢強さと切り替えの早さを併せもっているからこその、見切りだった。

 そんな真弓カラーはこれから、随所に見られるはず。それがタイガースの浮上の重要なポイントになる。


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浅岡真一「独断流」
浅岡真一(あさおか・しんいち)
 1950年3月24日、大阪生まれ。早大卒業後、74年、大阪日刊スポーツ新聞社に入社。4年近くの内勤を経て、78年から運動部記者に。近鉄を6年担当、その後、阪神担当に。85年のリーグ優勝、日本一を目のあたりにした。現場時代はその執拗な取材活動から「ゴキブリ記者」とも呼ばれた。89年から運動部、報道部デスク、運動部長などを歴任、その間もほぼ野球の世界で取材活動を続けてきた。編集委員、広島総局長、編集局次長、営業局長などを経て、04年8月から現場記者に復帰。趣味はスポーツ観戦、テレビのニュース、クイズ番組視聴。

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