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2009年5月01日

初夏を迎え、より「真弓色」を全面に!

プロ野球も佳境に

 早いもので、プロ野球の開幕から1か月(私だけが感じているかもしれませんが)。風薫る時節、球場へ足を運ぶのにも、より快適になったよう。

 さて、セ・パのペナントレース、まずは滑り出しというところで、パ・リーグは飛び抜けたチームもなく面白い状況。セはわずかに巨人が抜け出して、他チームがこれを追いかける展開だ。

 その巨人追撃の有力候補の一つは阪神じゃないか。4月30日の横浜戦のように9回2死から5連打でサヨナラ勝ちをおさめたように、このチームには何か“魔力”が潜んでいるような気がする。

 それともう一つは真弓監督のさい配、作戦も注目している。結論から言えば、まだ真弓カラーを全面的に出していない、もっと彼らしい用兵、戦術がこれから見られるはず、と期待は増している。

 1953年生まれの55歳は男盛り。昨年末に第31代のトラの指揮官に就任して以来、その人となりはスポーツ各紙をはじめ、取りあげられてきた。私も25年余に及ぶ付き合い、その実像を多少はつかんでいるし、昨秋は本紙(関西版)で、その一端を紹介させてもらった。

 彼を評する一般的なイメージは「温和で明るく前向き」というようなものでしょう。85年、日本一に導いた吉田義男監督(現日刊スポーツ客員評論家)も、そんな印象を抱いておられる。

 先頃、吉田さんが上梓された「牛若丸の履歴書」(日経ビジネス文庫)という自叙伝ふうの書の中で「空気が読める男」と表現されている。今ふうの言葉を使って、実に適切ではあると思う。

 “恐怖の一番打者”としてチームの核になった全盛時。だが、掛布雅之という主砲がおり、一方で岡田(前監督)というスター候補も存在感があった。そんな中、彼らより年上の彼は、阪神の生え抜きではないということを考慮、常に控えめにフォア・ザ・チームに徹していた。

 指揮官の吉田氏からすれば、実に有り難い存在。不平不満は全く口にせず、派閥も作らず。まさに優等生そのもののイメージだった。しかし、私はあえて、胸の内にある激しい炎を強調したい。

 詳しい日時は忘れたが、汚いヤジに激昂、ネットによじ上がらんばかりに、そのファンに詰め寄ったことがあった。また稚拙な質問をする記者には、口も利かない一面もあった。

 今年の真弓タイガーズの特徴といえば機動力を使い、先発投手を長く辛抱、矢野を故障で欠いて狩野をメーンに登用している……といったあたりだろう。

 これに打線をよく組み替える用兵も加えていい。この点は評論家諸氏から、異論も出ているが「本来の真弓明信」は外野の声など気にしない。信念は貫く九州男児。いざとなれば開き直ることもできるし、ある面では岡田前監督より意固地なところもある。

 それでいいと私は思う。手探りの時期は過ぎた。内の赤き血をふんだんに発揮してもらいたし、するだろうと思っている。


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浅岡真一「独断流」
浅岡真一(あさおか・しんいち)
 1950年3月24日、大阪生まれ。早大卒業後、74年、大阪日刊スポーツ新聞社に入社。4年近くの内勤を経て、78年から運動部記者に。近鉄を6年担当、その後、阪神担当に。85年のリーグ優勝、日本一を目のあたりにした。現場時代はその執拗な取材活動から「ゴキブリ記者」とも呼ばれた。89年から運動部、報道部デスク、運動部長などを歴任、その間もほぼ野球の世界で取材活動を続けてきた。編集委員、広島総局長、編集局次長、営業局長などを経て、04年8月から現場記者に復帰。趣味はスポーツ観戦、テレビのニュース、クイズ番組視聴。

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