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2008年11月05日

持論通りの指導、育成ぶり

阪神に新たな流れが

 月日のたつのが早いな、と最近は特に感じるようになりました。病後のせわしさなのか、還暦までそう遠くない身からなのかはわかりませんが、つい先ほど就任発表したのに、今は安芸キャンプで背番号「72」のユニフォームを着て、若手らに手取り足取り……。私の想像を超えてアグレッシブな動きです。

 第31代のタイガースの指揮官・真弓明信(55)。正式発表は10月27日でしたが、その10日ぐらい前から内定しておりセのクライマックスシリーズ(CS)の第二ステージの終了を待って、お披露目が行われました。

 とりわけ関西では、かつての人気選手の復帰とあってマスコミ、ファンともにかなりのフィーバーぶりでした。本紙でも「人間・真弓明信」と題した連載で、その人となりを紹介(同28~11月2日)。私も一部を執筆しました。

 まあ、古い付き合いですから、いろんな思い出が駆けめぐりました。よく飲食を共にもしましたが、アルコールが回るほどに、話は野球のことに集中していました。

 その後、本紙評論家、近鉄のコーチなどを務めたのですが、野球に対して、しっかりとした理論を持っているなと感じ続けてきました。まず、野球そのものへの総論は「守り中心」。就任以来、何度か広言しているので阪神ファンでなくてもご存じでしょう。

 各論、今回は打撃理論にだけ限って書かせてもらいますが、大まかにいえば2つある、というのが私の解釈です。

 まず1つめ。「長打狙い」が打者のあるべき姿だという論です。連載でも記しましたが、2ストライクを取られるまでは、甘いストライクを狙うという現役の頃からの信念。その理由は投手は打たせまいと投球してくるのだから、相手の制球ミスを突くのが確率高く甘ければ、当てる打法でなく振り切れ、という考えです。

 2つめ。いつも完ぺきなフォームでスイングできない、だから多少体勢が崩れても、何とかヒットを打てる、スイングができる技術を身に付けること。1つめと矛盾するようですが、これは主にカウントが追い込まれたケースを指しているのです。

 2つに共通するのは、投手と打者の敵対関係を深く見据えた中で、じゃあ、どう相手を攻略していくか、より各自の能力を発揮できるか、という点に着目した点です。

 現在、行われている安芸キャンプ、こんな持論を選手に教えています。見出しにすれば「ホームランを狙え!」「下半身の粘りで打て」などと表現されています。桜井などは「わかりやすい」と、納得しているようでした。

 実は、これほど積極的に“真弓イズム”を色濃く出すとは思っていませんでした。いきなり、自分のカラーを出す方が選手、コーチも受け入れてくれると判断したからでしょう。

 来年の春季キャンプからオープン戦、公式戦。まだまだ先の話……いや、時の移ろいは早く感じる身、真弓イズムの浸透度は、すぐにわかるようになるでしょうね。


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浅岡真一「独断流」
浅岡真一(あさおか・しんいち)
 1950年3月24日、大阪生まれ。早大卒業後、74年、大阪日刊スポーツ新聞社に入社。4年近くの内勤を経て、78年から運動部記者に。近鉄を6年担当、その後、阪神担当に。85年のリーグ優勝、日本一を目のあたりにした。現場時代はその執拗な取材活動から「ゴキブリ記者」とも呼ばれた。89年から運動部、報道部デスク、運動部長などを歴任、その間もほぼ野球の世界で取材活動を続けてきた。編集委員、広島総局長、編集局次長、営業局長などを経て、04年8月から現場記者に復帰。趣味はスポーツ観戦、テレビのニュース、クイズ番組視聴。

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