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2008年9月30日

ひたむきさと大胆さ兼備の指導者

大石監督の横顔

 ご無沙汰して申し訳ありません。実は6月中旬に厄介な病に侵されているのが発見され、手術も行いました。一個人のことを詳しく読んでいただくのも気が引けるので、これだけにさせてもらいますが、長い休暇を経て、このコラムを再開させていただきます。

 ところで、休載している間、プロ野球も中盤から終盤に入ってきました。セ・リーグは独走の阪神の勢いが止まってきて、首位争いまで混沌としてきました。まあ、巨人の追い上げも苦しいと思っていますが、予断は許せない状況。

 一方のパは西武がかなり抜けだし、2、3位争いがし烈。中でもオリックスの快進撃が止まりません。8月戦線は12勝9敗と勝ち越し、同下旬の対日本ハムで3連勝して波に乗り9月にかけて7連勝。

 さて、このオリックスの追い上げの要因はいくつかあるでしょうが、大石大二郎監督の手腕も、その一つではないか、と思っています。別にコリンズ前監督を批判する気はありませんが、私が期待していた以上に大石監督の手腕は冴えていると感じています。ついにクライマックスシリーズ進出を決めました。

 期待していた――。彼が亜大から近鉄に入団した時(81年)に私は担当記者をしており、引退後に日刊スポーツの評論家を務めていた縁もあり、長い付き合いで彼の人となりを知り、指導者としての才能を買っていたからです。

 選手時代の実績はピリオドを打った近鉄の歴史の中でも5本の指に入ると思っています。実働17年で1824安打。新人王、盗塁王4度、ベストナイン、ゴールデン賞3度ずつ。猛牛、パのファンなら「さわやか大ちゃん」の愛称も覚えておられることでしょう。

 確かに若い頃から礼儀正しく、野球に対するひたむきな姿勢は抜きんでていました。公称166センチながら、私と背比べしたらほぼ同じ。162センチぐらいでしたが、裸になれば筋肉モリモリ。自分で鍛えたからで、これ一つとってもプロ根性を推し量れます。

 “近鉄の顔”に成長してもおごることなく、さらに上を目指していました。今、一軍の将になっても自らをアピールする態度は見せず、選手のやる気を燃え立たせチーム全員が一つの方向に向かっているムードが感じられます。

 「一戦一戦」と口癖のように言うのも、自らは浮かれておらず、その姿勢をチーム内外に示しているからでしょう。

 といって、堅実ばかりではありません。彼は現役時代から競輪が大好きでした。よく言われる「推理のギャンブル」。レース展開を読むのが面白く、そこそこの金額を投じるが、負けても平然としている側面もありました。

 大胆な投手リレーを時にしますが、そんな彼の読みと勝負度胸が出ていると見ます。常に石橋をたたいて……ではないさい配が随所に感じられます。

 混戦の中でCS出場。シーズン途中から指揮を執ったパの新参監督の意表をつく戦法、戦術に注目したいと思っています。


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浅岡真一「独断流」
浅岡真一(あさおか・しんいち)
 1950年3月24日、大阪生まれ。早大卒業後、74年、大阪日刊スポーツ新聞社に入社。4年近くの内勤を経て、78年から運動部記者に。近鉄を6年担当、その後、阪神担当に。85年のリーグ優勝、日本一を目のあたりにした。現場時代はその執拗な取材活動から「ゴキブリ記者」とも呼ばれた。89年から運動部、報道部デスク、運動部長などを歴任、その間もほぼ野球の世界で取材活動を続けてきた。編集委員、広島総局長、編集局次長、営業局長などを経て、04年8月から現場記者に復帰。趣味はスポーツ観戦、テレビのニュース、クイズ番組視聴。

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