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2008年5月10日

今の戦い方ではとても優勝できない

巨人の惨状

 6日からの巨人ー阪神戦、東京ドームに取材に行けなかったが、テレビで3連戦をじっくり自宅観戦しました(ケーブルテレビがあるので試合開始から終了まで)。結果は2勝1敗で阪神が勝ち越し。しかし、その勝ち負け以上に両チームの“野球の差”を感じざるを得ませんでした。

 はっきり結論から記すと巨人は、ほとんどの選手がただ打つことしか考えていないのではないか、と感じたのです。

 言うまでもなく、野球の基本は守りです。そして攻めるには機動力を絡めて、つながりができてこそ、得点を積み重ねることが出来るのです。こんなことはプロ野球ファンなら、誰もがご存じだと思いますが、巨人の戦いぶりには、その自覚が不足していると思わざるを得ませんでした。

 阪神が開幕ダッシュをかけたのは、攻守走のバランスがそろっていたからと思っていますが、直接対戦でその差が如実に表れていました。

 例えて挙げれば、2戦目の阿部の走塁です。2ー4のビハインドの7回、ラミレスのタイムリー二塁打で1点差に追いつき、阿部が四球を選んで1死満塁。続くゴンザレスが右前へポトリと落とす当たり。しかし阿部は二塁で封殺されてしまったのです。

 年に1度あるかどうかわからない、珍しいライトゴロ。確かにフラフラと上がった打球で一塁走者としては判断が難しかったかもしれませんが、人工芝で大きくワンバウンドしており、正確な打球判断をしていればアウトにならなかった、と見ました。

 ここで同点の1死満塁となっていれば、ゲームの流れは巨人に大きく傾いていたはずです。だが、阪神から言えば大助かり。勢いは止まり、勝ち越しならないばかりか、直後の8回表、阪神が1点を奪い、逃げ切ってしまいました。

 阿部にはきついようですが、アマ時代も含め20年ぐらい野球をしているのですから、あの程度の打球判断ができて当然でしょう。まして主将に任命されている立場。開幕から打撃が不振なら余計のこと、走・守でチームを先導していかなければならないのではないでしょうか。

 3戦目ではラミレスがカットマンに送球せず、やらずもがなの勝ち越し点を与えてしまいました。結果的にはそのラミレスが久保田から逆転2ランを放ち、一矢を報いましたが、こんなことは滅多にないことです。

 巨人はやるべきことをきっちりやるという野球の原点に戻るべきでしょう。そうでないと「たまたま勝った」というゲームが増えるだけです。高橋由、二岡ら主力の故障離脱など言い訳にならないでしょう。各選手、首脳陣が今一度、自覚しなければ、阪神、中日との差は開くばかりと危惧します。
 これだけ苦言を呈するのも、強い巨人があってこそペナントレースが白熱するという思いが強いからです。

浅岡真一「独断流」
浅岡真一(あさおか・しんいち)
 1950年3月24日、大阪生まれ。早大卒業後、74年、大阪日刊スポーツ新聞社に入社。4年近くの内勤を経て、78年から運動部記者に。近鉄を6年担当、その後、阪神担当に。85年のリーグ優勝、日本一を目のあたりにした。現場時代はその執拗な取材活動から「ゴキブリ記者」とも呼ばれた。89年から運動部、報道部デスク、運動部長などを歴任、その間もほぼ野球の世界で取材活動を続けてきた。編集委員、広島総局長、編集局次長、営業局長などを経て、04年8月から現場記者に復帰。趣味はスポーツ観戦、テレビのニュース、クイズ番組視聴。

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