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2008年4月19日

いったい何年が適正なのか

FA年数

 巨人・上原浩治投手(33)がフリーエージェント(FA)権の行使を宣言してから、早くも1週間以上がたちました。取得したのは4日でしたが、当日はペナントレースのゲームが行われており、言明を翌週の月曜日、12球団すべてゲームがない日にしたのは、いかにも上原らしい気遣いだと感じました。

 その行使ですが、彼は「海外でやりたいという目標がある」とはっきり語りました。来年はメジャーでプレーしたいと意思表明をしたわけです。まだシーズンが始まったばかり、球団側は本人の希望を受け入れ、話し合いは行われていません。

 当然、必死で慰留するでしょうが、上原の意思は相当固く、恐らく残留することはないでしょう。ましてメジャーの各球団の評価は高く、オフになれば、争奪戦は大きな話題になることでしょう。

 さて、その宣言から1週間後、FA年数の短縮などに関して12球団経営側の日本プロ野球組織(NPB)と労組日本プロ野球選手会(ヤクルト・宮本慎也会長)とが、話し合いを持ちました。

 NPB側から新たな提案がされたのですが、その前に現行のFA制度を確認しておくと「公式戦期間中の1軍登録日数が145日を満たした期間が9シーズンに達すれば、権利を取得できる」と野球協約に明記されています。

 この9年の拘束? に対して昨夏、選手会側が「(FA短縮などを含めて)訴訟も辞さない」と臨時決議を出したため、NPB側も対応が急がれ、主に次の3点を出してきました。

 (1)ドラフトは選手の希望は聞かず1順目は入札抽選方式、2順目以降は下位球団から指名するウエーバー方式
 (2)FA獲得年数は現行の9年から「国内8年、国外9年」に短縮。希望枠が廃止された昨秋のドラフト以降に入団した選手からは「大学・社会人出身者は国内7年、高校出身は8年、国外は9年のまま」
 (3)FAに伴い選手を獲得した球団がもとの球団に支払う金額を減額する

 ドラフトとFA権の連関性を明確にした改革案で、選手会側も前向きにとらえているようで、早ければ5月中に決着するようです。

 FAは時代の流れから仕方のない制度だとは思いますが、果たして何年が適正なのか、正直言って、私には分かりません。それより懸念するのは2つ。第1は海外への一流選手の流出です。これまで17人がメジャーに移籍しており、昨オフは最多の5人。

 国内の野球のレベルが低下するのは残念で、それとともに富裕球団がFA選手を多く獲得し、球団の格差が広まるのも第2の懸念です。カネのない球団はチームを手放せ! というのは暴論だと思うのですが…。

浅岡真一「独断流」
浅岡真一(あさおか・しんいち)
 1950年3月24日、大阪生まれ。早大卒業後、74年、大阪日刊スポーツ新聞社に入社。4年近くの内勤を経て、78年から運動部記者に。近鉄を6年担当、その後、阪神担当に。85年のリーグ優勝、日本一を目のあたりにした。現場時代はその執拗な取材活動から「ゴキブリ記者」とも呼ばれた。89年から運動部、報道部デスク、運動部長などを歴任、その間もほぼ野球の世界で取材活動を続けてきた。編集委員、広島総局長、編集局次長、営業局長などを経て、04年8月から現場記者に復帰。趣味はスポーツ観戦、テレビのニュース、クイズ番組視聴。

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