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2007年12月08日

集中力とモチベーションの高さの勝利

野球日本代表の北京五輪出場

 これほど、日本中がフィーバーするとは思いませんでした。五輪出場をかけたアジア最終予選、もう金メダルを獲得したかのようにマスコミが取り上げ、ファンも熱狂しました。

 その1つの象徴がテレビの視聴率です。2日の韓国戦での瞬間最高は43・5%(関西地区)。3日の台湾戦は試合終了瞬間の46・1(同)。平均視聴率でも関西が33・3、関東27・4、名古屋33・5、札幌36・4、福岡32・3%でした。

 独占生中継をしたテレビ朝日としてはホクホクだったでしょうし、その系列の各地方のテレビ局も予想外の喜びだったのではないでしょうか。

 実は、私も初戦の対フィリピンから、3試合、すべて開始から終了までテレビに見入っていました。五輪はアマチュア野球の最高峰であるべき、という持論に変わることはありませんが、やはり根が野球好きなんでしょう、日本がどんな戦いをするか、各選手がどんなプレーをするか、見たかったからです。

 そこで一番感じたのは、どの選手もすさまじい集中力を持ってプレーをしていたことです。宿敵・韓国とのゲームでは先発・成瀬がリードを許さず、川上、岩瀬、上原のリリーフ陣が何とか踏ん張り、4-3の接戦をモノにしました。

 そして、最後の対台湾。最大のポイントは1点の逆転を許した直後の7回、無死満塁で大村(サブロー=ロッテ)がカウント1-2から同点スクイズを決めたことでしょう。「サインが出るかもしれない」と心の準備があったから、代走・宮本の好スタートのサポートもあって、見事に決まったのでしょう。

 追いついたなら、こちらのもの…というムードが画面を通して伝わってきました。西岡の逆転打から青木の四球を挟んで4連打。技量がなければ、これだけヒットを連ねることはできないのはもちろんですが、その技術の裏には、すさまじい集中力があったからだと受け取りました。

 余談ながら、あのスクイズ成功を、阪神・岡田監督はどう感じたかな、とも思いを馳せました。これまで4年間、トラの指揮官は「スクイズはしない」と公言してきました。彼なりの采配信念があるから、批判する気はないですが、リスクを伴う作戦も時には有効だと幅を広げてくれたら、と思いました。

 それはさておき、これで星野監督の評価は一段と高まりました。別に嫉妬する気は全く無いのですが、球界でのグレードは一段と高まったようです。まあそれは来年の8月でまた変化があるかもしれません。

 それにしても「日の丸」というのは日本国民にとって、かなりのインパクトがあるのだなという感も抱きました。私は私なりの考えを持っているつもりですが、各選手がモチベーションを高めるための1つの要素であったことは間違いないようです。声援を送るファンも同様でしょう。少しずつ日本が変わりつつあるな、とも思いました。


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浅岡真一「独断流」
浅岡真一(あさおか・しんいち)
 1950年3月24日、大阪生まれ。早大卒業後、74年、大阪日刊スポーツ新聞社に入社。4年近くの内勤を経て、78年から運動部記者に。近鉄を6年担当、その後、阪神担当に。85年のリーグ優勝、日本一を目のあたりにした。現場時代はその執拗な取材活動から「ゴキブリ記者」とも呼ばれた。89年から運動部、報道部デスク、運動部長などを歴任、その間もほぼ野球の世界で取材活動を続けてきた。編集委員、広島総局長、編集局次長、営業局長などを経て、04年8月から現場記者に復帰。趣味はスポーツ観戦、テレビのニュース、クイズ番組視聴。

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