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2010年12月03日

契約更改交渉のあるべき姿では…

阪神・葛城の「二軍環境改善」要望

 ふと、小さな記事に目が止まった。阪神・葛城育郎選手が来季の契約交渉に臨み、700万減の2400円でサインした。いわゆる“契約更改”だが、球団側との話し合いの中で、彼は二軍の環境改善を訴えたという。

 「日々みんなが頑張っているのを見て、モチベーションを上げるためにこうした方がいいと意見を言いました。自分が前から思っていたことなどです」。

 今季は6月6日に登録抹消されてから、一度も一軍に上がれなかった11年目、33歳の左打者。若手とともに汗まみれ、泥まみれになる中で、さらに働きやすい職場を求める思いがわき上がってきたのだろう。

 私は彼を直接、取材したことがないので、彼の人となりを詳しくは知らないが、素晴らしい提言と感じた。後輩たちを思いやる熱さはもちろん、球団に対しても熱い訴えだからだ。

 詳細な提言の内容は分からないが、球団も耳を傾けるようだし、必要なら環境改善に努めるべき。一人一人の選手はチームの財産。彼らが成長することは、チーム強化の大きなポイントになる。そのために出来る背広組の支援は欠かしてはならない。

 そして、葛城と球団の話し合いを本紙の記事で読み、これこそ意義ある契約交渉だ、と心の内で拍手を送った。金銭の話だけが契約交渉の目的ではないのだ。

 もう30年前になる。現日本ハムの梨田昌孝監督が近鉄の、いやパ・リーグの看板捕手に成長した1980年のオフ、契約交渉で2000万円の“大台”に達した。現在なら、どのぐらいか、1億円は超えるだろう。2年連続リーグ制覇に貢献、ベストナイン、ゴールデングラブ賞を手にした行賞だった。

 ただ、当時の山崎弘海・球団代表は、活躍を褒めながら「君はもっとたくさん漢字を覚えて、字をうまく書けるようになりなさい」とノルマを与えた。

 27歳の中心選手への珍妙? な指令。これは、社会人として、さらに幅広く成長してもらいたい、という同代表の願いであり、もっと先を見詰めれば、将来のチームの幹部として登用したいという意図があったから。梨田も、そんな雰囲気を感じたと、今も振り返っている。

 契約交渉はフロント幹部と選手が、膝詰めでじっくり話し合える場。金銭の上げ下げは重要だが、一方で球団はその選手に望むことを語り、選手も球団のあり方に提言できる、年に一度のチャンスでもある。

 近頃は代理人制度が進化して、代理人が球団と交渉するケースもある。それも時代の流れか。でも、やはりユニフォーム組と背広組のスキンシップは、不可欠だと思う。
 古い人間なんだろうか…。


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浅岡真一「独断流」
浅岡真一(あさおか・しんいち)
 1950年3月24日、大阪生まれ。早大卒業後、74年、大阪日刊スポーツ新聞社に入社。4年近くの内勤を経て、78年から運動部記者に。近鉄を6年担当、その後、阪神担当に。85年のリーグ優勝、日本一を目のあたりにした。現場時代はその執拗な取材活動から「ゴキブリ記者」とも呼ばれた。89年から運動部、報道部デスク、運動部長などを歴任、その間もほぼ野球の世界で取材活動を続けてきた。編集委員、広島総局長、編集局次長、営業局長などを経て、04年8月から現場記者に復帰。趣味はスポーツ観戦、テレビのニュース、クイズ番組視聴。

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